左・安倍晋三公式サイトより/右・映画『海賊とよばれた男』公式サイトより
森友学園問題で連日苦しい答弁を連発している安倍首相だが、そんななか麻生太郎副総理とともに、先週金曜日2月24日夜、俳優のV6岡田准一、鈴木亮平と西麻布の高級フランス料理店で会食をしていたことが首相動静で報じられた。
岡田准一といえば、昨年12月公開の映画『海賊とよばれた男』(原作・百田尚樹)の主演。鈴木亮平も中心人物の一人として出演している。安倍首相は今年元旦に映画を鑑賞しているが、もともと原作の大ファンで、自身のFacebookで「日本が世界で一流国となるために努力をした人物の生涯が手に汗握るドラマとして読み易くスリリングに描かれています」と推薦さえしていた。今回の会合は、どうやらその縁で組まれたということらしい。
だが、本サイトが以前指摘したように、『海賊とよばれた男』は極右思想をもつ実業家が戦後日本の復興を国に報ずる熱意で支えたとして礼賛する“愛国ポルノ”作品。また、岡田は同じく百田尚樹原作で安倍首相のお気に入り作品である『永遠の0』でも主役を演じている。実に3時間半を超えたという会食では、さぞかし気持ち悪い愛国ポルノ話で盛り上がったのだろうか。
そういう意味で、安倍首相と岡田准一という組み合わせに、不思議なのは、なぜこのタイミングでの会食だったのかということだろう。映画の公開からも、安倍首相が鑑賞してからも、かなり時間が経っている。ひとつは、今月3日に授賞式を控える第40回日本アカデミー賞の“事前運動”ではないか、という見方だ。岡田は『海賊とよばれた男』で最優秀主演男優賞の候補となっているのだが、「首相と会食したのは受賞のための箔付けでは」(在京テレビ局関係者)とささやかれているのだ。
岡田は第38回に『永遠の0』で最優秀主演男優賞、『蜩ノ記』で最優秀助演男優賞を受賞し、史上初ダブル受賞を果たしている。このとき長らく“所属タレントを競わせたくない”との建前で賞レースを辞退してきたジャニーズ事務所がノミネートを解禁したのだが、岡田受賞は織り込み済みでの解禁だったのではと言われている。実際、解禁したとたん、岡田の翌年には二宮和也(第39回『母と暮せば』)と2年連続でジャニーズのタレントが最優秀主演男優賞を受賞。まあ、誰がどう見ても“出来過ぎ”である。