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安倍「拍手・起立」を井筒監督と松尾貴史が痛烈批判!「自衛隊員が死ぬたびに拍手送るつもりか」「ユーゲントのよう」

 そもそも、原発事故や少子化、介護など問題が山積しているなかで、憲法改正を“喫緊の課題”に仕立て上げたのは安倍首相だ。しかも、自民党が示している憲法改正草案は、為政者に課せられている憲法遵守義務を国民にすり替え、基本的人権や表現の自由などの制約さえ掲げている。実際、「このままでは人権が制約されるのでは」という懸念の声が上がっているが、これを国会で追及されると、安倍首相はこう言ってのけたのだ。

「国民が心配しているというが、我々はこれを示した4回の選挙で、みなさんよりは圧倒的勝利を収めている」

 おいおい、いつ自民党は選挙で「これがぼくたちがつくった憲法改正素案です。よく読んで投票してください!」と国民に説明したというのだ。そんなことは一度たりともないし、今年7月の参院選の遊説で、安倍首相は憲法改正のケの字すら1回も出さなかったではないか。

 さらには、今国会で憲法改正素案の中身について踏み込まれると、「憲法審査会で議論してよ」の一点張り。だが、憲法審査会がすべてテレビ中継される可能性は極めて低い。結局、安倍首相はテレビで国民が監視できる場では、憲法改正草案の中身には触れず、国民にとことん隠し通すつもりなのだ。

 前述したコラムのなかで松尾は、安倍政権や報道が他国からの脅威、恐怖をことさら煽っているのではと疑義を呈し、ナチス・ドイツの国家元帥だったヘルマン・ゲーリングの「国民を戦争に引きずり込むのは簡単である。外国に攻撃されつつあると言えばいい。それでも戦争に反対する者に対しては『愛国心がない』と批判するだけでいい」という証言を紹介。そして、こんな言葉で文章を締めくくっている。

〈今がそうではないと、誰か安心させてはもらえないだろうか。「雰囲気がおかしい」と違和感を覚えた時に歯止めをかけないと、悔やんでも悔やみきれないことになる〉

 まさに茹でガエルのように、日々わたしたちは、勝手につくり出された空気に馴らされつつある。拍手喝采パフォーマンスは気持ち悪いし、憲法の改悪など必要ない。──そんな松尾や井筒のような真っ当で当然の反応が社会のなかで薄れてしまっている、その現状ほど怖いものはないのかもしれない。
(水井多賀子)

最終更新:2017.11.12 02:38

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