ニコニコ動画「百田尚樹チャンネル」より
今年7月、「二度と書けない本」と豪語していたノンフィクション『殉愛』(幻冬舎)がプライバシー侵害や名誉毀損にあたるとして東京地裁に認定された百田尚樹氏。判決が出る前の3月に証言台に立った際も、取材を怠った事実を開き直り、逆ギレさえしてみせた百田氏だが、今度は別の著作をめぐって怒り心頭であるらしい。
それは、今年2月に発売された小説『カエルの楽園』(新潮社)の件。現在、同書は27万部を売り上げているというが、“書評が載らない!”と怒っているのである。
そんな百田氏の思いを代弁するかのように、『カエルの楽園』の版元である新潮社が発行する「週刊新潮」(新潮社)が、「大ベストセラーの書評を載せない「大新聞」のご都合」なる特集を掲載した。
この「週刊新潮」の記事は、〈紛うことなき大ベストセラーながら、なぜか大新聞の書評に“黙殺”され続けている作品がある〉といい、同社刊行の橘玲『言ってはいけない』とともに『カエルの楽園』を紹介。〈発売から4カ月遅れで産経新聞が載せた以外、新聞紙面に書評は見当たらない〉と訝しがるのだ。
もちろん、記事中には百田氏も登場し、こんな主張をしている。
「僕も一応、ベストセラー作家の端くれですから、これまでは新刊が出てれば多数の書評が載り、著者インタビューのオファーがいくつもありました。ところが、『カエルの楽園』に関しては書評も、そして、取材依頼もほぼ皆無でした。アマゾンのレビューはすでに750件を超えているのに、ですよ」
そして「週刊新潮」は、ベストセラーだというのに書評を載せない新聞に対し、〈事なかれ主義の産物〉〈あくまで優先されるのは自分たちの“ご都合”〉〈大新聞は“問題作”をまともに論じられないような状況にあるのだ〉と息巻くのである。
4ページも使って何を主張しているかといえば、『カエルの楽園』は新聞社にとってイデオロギー的に不都合だから、書評を載せずに黙殺している!と言いたいらしい。
いやはや、百田氏が不憫すぎてかける言葉も見つからないが、“裸の王様”の氏には進言する編集者もいないのだろうから、代わりに本サイトが教えてさしあげよう。