こうした理不尽な状況を考えると、レプロとの契約からは解放されたとはいえ、能年にとってまだまだ茨の道が続くことは間違いない。実際、妨害工作はもうすでに始まっており、レプロ側は、15年1月から今年6月までの期間は能年側が仕事や話し合いを拒否していたため契約不履行とみなし、その分の契約延長を申し入れているため、まだ契約は終了していないと主張。今回、能年が改名して活動を再開したことに関し、同社は法的対処も含め検討しているとのコメントを出している。
こういった事情を鑑みるに、レプロ=バーニングプロダクションによる圧力により、今後も能年がテレビやメジャー配給の映画で活躍するのは難しいだろう。しかし、今回「FRIDAY」「週刊文春」に登場したように、芸能界としがらみの少ない出版や、小資本の映画、舞台、ネットなどに登場することは可能だ。彼女の才能と魅力があれば、大手プロからの圧力に負けず、オルタナティブな場所で自らの立ち位置をもう一度確立することはできるはず。
ちなみに、前掲の阿川佐和子との対談で彼女は、今回の騒動を受けてこう語っていた。
「今は元気です! (しばらく無言の後)もちろん想像もしてなかった色んなことが自分に降りかかってきたのは事実です。でも、それが果たして、うつうつと考え込むほど自分にとって重要な事か疑問にしたとき、そうでないと気付きました」
「洗脳報道もそうですけど、色んな言葉を浴びてそれと対峙することで自分が成長できたんじゃないかなって今は感じてます。辛いこと、無駄なことは削ぎ落とすようになりました」
この経験を演技の深みに変え、今後、嵩にかかって責め立ててきた人間たちを見返すような仕事っぷりを見せてくれることを期待してならない。
(新田 樹)
最終更新:2016.07.15 03:18