A 確認なんですけど、あの集会って、美しい憲法をっていうあれ(=「美しい日本の憲法をつくる国民の会」)で。いま、電話をいたただいているということは、あれは日本会議が実際には事務局となってやっているということなんですか。
日本会議 そういうことですね。ただ、あえてそういうもの(=別の名称)をつけたのはですね、憲法改正というものはもっと幅広く訴えたいんですわね。そのために、「美しい日本の憲法をつくる会」というのを組織したわけです。
A いま、憲法改正に関しては個人的に思うことがいろいろとあるんですけども、あの集会は憲法改正の集会だったと(私は)理解しているんですね。
日本会議 そうですね。
A でも、お話しを聞いていると、尖閣の防衛の問題だったりだとか、あるいは教育の問題だったりとか。ここでいう教育の問題というのはあれですよね、国歌とか……
日本会議 あの結局ね、教育を本当の意味で正常化しようと思ったら、憲法を改正しないと正常化できないんですよ。尖閣をはじめ国を守ろうということになれば、いまの憲法のままでは守れないと思います。だから、憲法に行き着くんですよ。たとえばいま少子化という問題がありますよね。これだって憲法に行き着きますよ! 結婚は両性の合意のみでできるなんてことはね、そもそもこれはね、日本の国にふさわしくないですわね。その考え方の条文のなかにはね、先祖とか一族とか同族とかという家族といいますかね、そういう思想が抜けてしまったわけですよ。たとえばね、私はそれに戻れとは言いませんけども、戦前はですね、戸主の認可が必要だったわけです。両性の合意だけでは結婚できなかったんです。
A ああ、戸籍の主、ようするにお父さんとかですよね。
日本会議 そう、いわばお父さんです。ですが、いま、戦後はですね、お父さんが反対しようと叔父さんが反対しようと、誰が反対しようと、二人だけがいいって言えば、結婚できるようになっちゃったわけですよ。だから、そういうものがね、いきつく先が、いまの「結婚をしようがしまいが自由じゃないか」と。「子供なんか産もうが産ままいが自由じゃないか」と。自由、自由、自由に基づいてみんな楽を求めてですね、少子化につながってしまった。
A はあ、なるほど……。個人的には少子化に関しては、いろいろ経済や福祉の問題が非常に大きいと思うんですけど、まあそれはさておき、ようするにそういった父権的な明治のような戸籍制度が、日本会議としては復活すべきだと、憲法に織り込むべきだと考えているわけですか?
日本会議 というよりも、家族というものをね、バラバラにしちゃったのが、いまの憲法のなかには、そういう精神があるわけですよ。マッカーサーの考えでしょうね。日本を弱体化して、またアメリカに歯向かうようなことがないためにはですね、家族が強固なもので結ばれていたんじゃあそうはいかないということで。家族解体ですね。