ところが放送前日の夜、突然、そのディレクターから「使えなくなりそうだ」とのメールが入り、そのままこの部分はカットされてしまった。現場以外の部署から、土壇場でストップがかかったのだという。
まさに本サイトが日頃から問題にしているテレビ局の過剰な自主規制をナマで体験したかたちだ。本来なら、このテレビ局と番組名を明かすところなのだが、リスクを冒して踏み込んだ権力批判報道をやろうとした番組やディレクターが局内で苦しい立場に追い込まれることは本意ではないので匿名にしておく。
しかし、残念なのは、日本会議の事務局のファナティックな発言と勧誘の手口を全国放送の電波に乗せることができなかったということだ。
そこで、このテレビ局がボツにした幻の音源を、以下に再現しようと思う。以前の記事ではカットした部分も追加したので、リテラの読者にはこの機会に、日本会議のカルト極右ぶりを再確認してもらいたい。
なお、できるかぎり忠実なかたちで再現するために、註釈を入れる場合はカッコで表していることをご了承いただきたい。
…………………………………
日本会議 もしもし、日本会議です。その節は(「美しい日本の憲法をつくる国民の会」1万人大会に)どうもご参加ありがとうございました。日本会議は常日頃、尖閣諸島をはじめとした日本の領土をなんとしても守りながらですね、戦後最大の課題であります憲法改正と教育の正常化という問題に全力で取り組んでるんですがね。
A あの、ちょっと、すみません。今お話されている方は日本会議の……?
日本会議 事務局でございます。
A 職員のかたですか?
日本会議 ええ。あの、この度、待望の安倍内閣によりましてね、これら憲法、教育等の戦後の諸問題の総決算したいというので、日本会議は全力で取り組んでるんですがね。Aさんには、安倍内閣による憲法、教育、領土に対するこの取り組みをですね、どのようにご覧になってますか?
A 僕個人がですか? それはあの……。
日本会議 私はこの安倍内閣で憲法改正が実現しませんでしたらね、日本はまた4、50年間できないんじゃないかと思っております。
A な、なぜですか。