たとえば、02年に「FLASH」(光文社)7月30日号が報じた恒泰氏の“マルチ商法”への関与。記事によれば、恒泰氏はインターネットマルチ商法・スカイビズ2000に関わっていたという。さらに、08年には恒和氏、恒泰氏ともども「詐欺師親子!」と告発された。「週刊新潮」(新潮社)08年6月19日号で告発者が語ったところによれば、告発者は恒和氏の妻(現在は離婚)とその母・松見イク氏から懇願され、「竹田家の大切な品々」を保管する貸し倉庫の保管料325万円等を立て替えていた。その協議には恒泰氏も同席していたという。ところが、書面に恒泰氏のサインがあるにもかかわらず、請求しても一切お金を返済しない。しかも、倉庫の中身も竹田家側は3000万相当と言っていたのに、鑑定に出したところたったの100万円程度の価値だったという。
加えれば、この恒泰氏の祖母・松見イク氏が経営していた精神病院・松見病院の多額借金をめぐるトラブルも報じられたことがある。恒泰氏は松見病院の経営陣のひとりで、借金の保証人として東京地裁で1200万円および13年6月24日から年5分の利息の支払い命令を受けたが、「週刊文春」(文藝春秋)14年10月16日号で、原告の男性はこんな告発をしている。
「大金なので躊躇していると、今度は竹田(恒泰)さんを“保証人”につけると言う。本人にも会いましたが、なにせ明治天皇の玄孫というから信用するでしょう。大丈夫だろうと考えて知人に1200万円を貸すことにしたんですよ」
ようするに、この親子は「旧皇族」「旧宮家」の看板をつかった詐欺まがいの行為を働いてきたのである。これを踏まえれば、今回の五輪招致「裏金」疑惑も、こうした体質の延長上にあるものと見るのが妥当だろう。皇室の権威を悪用してのし上がり、トラブルや不祥事が露見すると保身のための嘘で疑惑を糊塗する。一方で、他の民族や国家、出自に対する差別的言辞を撒き散らす。
この親子こそ、日本の品位を貶めているというべきだろう。彼らの“ゲス”ぶりを見れば、右派の主張する旧宮家の復活など絶対に許してならないことだけは確信できる。
(宮島みつや)
最終更新:2016.08.05 06:11