左・「女性セブン」5月19日号/右・「週刊ポスト」5月27日号
ベッキー騒動以降、やたら注目を集めるようになった「不倫」というキーワード。出版業界でも不倫をテーマにした書籍がいろいろ出版され、月刊誌、週刊誌なども“不倫”特集を組んでいるが、そんな中、「女性セブン」(小学館)の不倫擁護論が一部で話題になっている。
同誌は5月26日号で「不倫ドラマが変わった!? 石田ゆり子、前田敦子にどよめく『不倫過敏症の女たち』」なる特集記事を掲載したのだが、その中で、不倫バッシングの中心は不倫経験のない人妻で、彼女たちは実は不倫に対する憧れや秘めた欲望があるため、“女の嫉妬”からバッシングをしていると論じたのだ。
結婚制度を絶対的なものと捉えて不倫を犯罪のように叩く論調もうんざりだが、この擁護論もひどい。そもそも「女はみんな不倫願望がある」という説自体がミソジニー丸出しだし、そんな妄想を前提に、上から目線で「女の嫉妬」などと決めつけているのを見ると、編集者のオヤジの願望を誌面化しているだけじゃないか、と言いたくなる。
もっとも、この記事、女性誌らしからぬオヤジ目線というだけで話題になったのではない。実は、少し前に、同じ小学館発行の週刊誌「週刊ポスト」がまったく同じ論を展開していた。こちらは2月19日号の「ベッキー&ゲスを異常バッシングする『不倫したい人妻たち』の素顔」なる特集で、やはり、ベッキーをバッシングの発信源は人妻、しかも彼女たちは実は不倫願望があるにもかかわらず自分ができないため、「嫉妬ややっかみ」でバッシングに走っていると主張していた。
つまり、小学館の男性、女性週刊誌がそろって下品な不倫擁護論を叫ぶ珍現象に「“女はみんな不倫したがってる”は小学館の社論か」というツッコミの声があがったというわけだ。さらに、出版業界では「そもそも小学館自体が“不倫の巣窟”。幹部もみんな不倫経験者だから、どうしても擁護したくなったんじゃないの」なんていう陰口までとびかっている。
こうした声はもちろん半分冗談だが、しかし、小学館の社員にやたら不倫が多いのは事実だ。不倫にゆるいのは出版業界全体の傾向だが、中でも小学館は突出しており、不倫がらみのトラブルや不祥事が頻発している。歴代の編集幹部を見ても、不倫騒動を引き起こした人物がけっこういる。
他でもない、今回、誌面で不倫擁護論を展開した「週刊ポスト」のI編集長もそのひとりだ。I編集長の結婚相手は『絶対音感』で知られるノンフィクション作家の最相葉月だが、これはいわゆる“不倫略奪婚”だった。