現在JKリフレについて語られるとき、このような経緯はほとんど顧みられることはないが、もともと萌えビジネスだったJKリフレは、メイン客層がオタクから援助交際常習者に変わることで変容していき、そこから前述の裏オプションが跋扈するようになる。そして、13年1月27日、都内のJKリフレ店18店舗に労働基準法違反などの疑いで一斉捜査が入り、中学3年生2人を含む15〜17歳の少女76人が保護、続いて2月6日には4店舗の関係者23人が労働基準法違反の容疑で逮捕・書類送検されるという結末を迎える。
この逮捕劇はテレビや新聞などでも大きく報道され、JKビジネスの危険性が一般的に周知されるのだが、この一斉捜査はJKビジネスの「終焉」とはならなかった。むしろ、それから延々と繰り返される「いたちごっこ」の始まりにしか過ぎなかったのである。
この一斉摘発の際、リフレは狭い密室でハグなどの触れ合いサービスを提供していることから「客に慰安、快楽を与えることを目的とする業務」と指摘することができたのだが、JKお散歩に関しては警察もそのような指摘ができず、摘発以降もお散歩店には18歳未満の女子高生が引き続き従事していくことになる。
しかし、すでに援助交際の温床となっているJKビジネスにおいて、特に、店の監視が行き届かなくなるお散歩はさらにひどい売春産業と成り果てる。お散歩の流れで、カラオケボックス、マンガ喫茶、ラブホテルなどに行き、そこで行われる売春行為が問題化。そして、13年4月1日には、就労をやめさせるため、JKビジネスに従事する女子高生を保護対象ではなく補導の方針に転換することになる。実際、同年12月16日には、15歳〜17歳の少女13人が補導されている。
これらの厳しい摘発により、JKビジネスは表向き正常化される。「触れ合い」や「デート」などが有害業務とされたため、18歳未満を雇っても許されるのは、サービスを会話程度のコミュニケーションに抑えた「JKコミュ」と呼ばれる業態に限られるようになる。
これまでどおりのリフレやお散歩の店からは、18歳未満の女の子(「アンダー」と呼ばれる)が消え、制服を着ていても従事する人は全員18歳以上となった。しかし、女子高生であっても18歳以上であれば労働基準法にも児童福祉法にも引っ掛からないことから、18歳の女子高生は「新18歳」と明記されJKビジネスにおいて人気を呼ぶように……。日本のロリコン文化の業の深さをまざまざと見せつけられるような現象である。
ただ、一度おいしい蜜を吸った業者たちはJKビジネスから去ったわけではなかった。ここから問題の地下ビジネス化が起きるのである。