無論、バスやタクシーだけではなく、こうした構造的な問題は他分野でも起こっている。事実、CoCo壱番屋の廃棄ビーフカツ不正転売問題では、セブン&アイ・ホールディングスやローソン、イオンなどの大手企業のプライベートブランドの廃棄商品も横流しされていたことが発覚したが、これもまた食品業界の苛烈な価格競争によって引き起こされた事件といえよう。
尾木ママは前出の連載コラムで、〈今回の事故だけでなく、利益を追求するあまりひとりひとりの人間が置き去りにされているように感じます。日本全体がどこかおかしくなってきている〉と見解を述べている。新自由主義が経済だけでなく人命さえ脅かす──いまこそ本質的な議論が必要なのではないだろうか。
(水井多賀子)
最終更新:2016.02.08 09:02