「う~ん……胆管がんは一般の肝臓がんと違って、ラジオ波じゃとりきれんのですわ。良心的な医者なら90パーセント、今回の場合、ラジオ波はおすすめしませんな」
なんと近藤医師がセカンドオピニオンとして提案したラジオ波は川島の胆管がんには適応しないというのだ。これにより、川島は途方にくれるのだ。
〈M先生(引用者注:近藤医師のこと)は確かに「私の患者で、胆管がんの人を何人もラジオ波専門医に送り込んだよ」とおっしゃっていましたが、あれって一体なんだったのでしょうか?〉
その後、川島が腹腔鏡手術の名医であるK先生に出会い手術を決断する10月まで、がんを放置し進行させてしまった。
結局、近藤医師のセカンドオピニオンは的外れのラジオ波治療というものだった。川島の夫である鎧塚氏も「追記」の中で〈専門医による「胆管がんにラジオ波は有効ではない」との判断とM先生(引用者注:近藤誠医師のこと)との見解の違いについては、確かに今でも疑問に感じることがあります〉と書いている。
また、診療代についても、川島は不満を書いている。
〈M先生がデータを見ながら説明してくれた時間は、約15分。お支払い含めて20分足らず。消費税がまだ5パーセントの時代、20分のセカンドオピニオンで3万1500円也。領収証は頼んでいないうちから書かれていました。お高い!!〉
なお、〈この人だったら命を預けてもいい、そう思える医師」である腹腔鏡手術の名医であるK先生のセカンドオピニオンは〈診察に1時間以上かけていただきましたが、お会計は1万円という大変良心的な値段だった〉という。