「楽天は2年連続で最下位に終わったが当たり前だ。野球経験もないオーナーが『このメンバーで行け』と口を出してきたら、勝てるわけがない」
まさにごもっとも、野村氏の言うとおり。いくらお金を出しているからといって、オーナーがすべてを決めてしまうのなら、監督もコーチも必要ない。楽天という球団は、監督・コーチにとっては、まったくもって野球ができる環境とは言いがたいのだろう。
強くもならないのにただ金に物を言わせて、よく考えもせずライバル球団から主力選手を奪い取るだけの巨人や阪神がセ・リーグの没落に拍車をかけているのは間違いないだろう。さらに言えば、ろくに選手の育成もしないで、FAやトレードばかりに頼っているから、若手選手が賭博なんていうものにハマってしまうのだ。
そもそも賭博行為は野球協約に抵触するだけでなく、単純に犯罪行為である。結果的に犯罪者を生み出しかねない球団運営であると考えると、巨人は相当に罪深いことをしてきたといえるだろう。どうしても、野村氏が巨人を批判していると、少々の嫉妬心的なものが見え隠れしてしまうが、実はそんなレベルの話ではない。犯罪行為を防ぐことができなかったという点で、今の巨人はかなりヤバいことになっているのかもしれないのだ。
少し前に相撲界で次々と不祥事が起き、本場所が中止となったり、観客が激減したりといったことがあったが、いまのプロ野球界だって他人事ではないはず。賭博行為の発覚をきっかけとして、次から次へと不祥事が表沙汰になる可能性だって否めない。取り返しの付かないことになる前に、もっと真剣に体質改善を図る必要がありそうだ。
(田中ヒロナ)
最終更新:2015.12.13 11:04