例えば、2400万円違約金裁判と同じ時期に話題となった裁判に、「恋愛禁止」の規約を守らずファンと交際した元アイドルグループの女性が、自身の恋愛発覚がグループ解散につながったとして、所属事務所から500万円の損害賠償を求められたというものがある。しかも、これに関しては東京地裁が賠償責任を負うと判断し、女性に対して65万円の支払い命令が出ている。「恋愛禁止」という「人権侵害」行為が司法の場で認められてしまった恐ろしい判例だ。
ここまで特異な例でなくとも、CM契約条項のためCM継続中に結婚・離婚・妊娠ができないなど、日常生活が制限されたりする例は芸能界において普通にある。もちろん、契約条項を破れば違約金が発生することになる。
この2400万円違約金裁判を受け、法的知識に乏しいことをいいことに違約金などで脅しをかけてAV出演を強要するやり方に批判が集まっているが、それと同時に、アダルトビデオ業界のみならず、芸能界全体で人権蹂躙的な仕事の進め方がなされていることにも目を向けられるべきなのではないだろうか。
(田中 教)
最終更新:2015.11.30 11:04