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赤川次郎が安倍政権におもねる大新聞とSEALDsバッシングの「週刊新潮」に「ジャーナリズムの恥」と徹底批判

 だが、そんな大メディアが魂を売った状況でも、東京新聞をはじめとしてブロック紙や地方紙は踏ん張っている。たとえば神奈川新聞は、安倍首相が集団的自衛権の行使容認を閣議決定した2週間後から「時代の正体」と題して連載を開始。安倍政権の背後にある日本会議にスポットを当ててメンバーにインタビューを試みるなど、さまざまな角度から政権の問題点と戦後70年を掘り下げた。

 しかし、この連載には大きな反響が寄せられる一方、「記事が偏っている」という批判も受けてきた。そうした意見に、神奈川新聞の論説委員である石橋学氏は、10月16日付の紙面で〈私たちはいま、権力の暴走を目の前で見せつけられるという歴史的瞬間のただ中にある〉と書きつつ、こう返答している。

〈民主主義の要諦は多様性にある。一人一人、望むままの生き方が保障されるには、それぞれが違っていてよい、違っているからこそよいという価値観が保たれていなければならない。それにはまず自らが多様なうちの一人でいることだ。
 だから空気など読まない。忖度しない。おもねらない。孤立を恐れず、むしろ誇る。偏っているという批判に「ええ、偏っていますが、何か」と答える。そして、私が偏っていることが結果的に、あなたが誰かを偏っていると批判する権利を守ることになるんですよ、と言い添える。
 ほかの誰のものでもない自らの言葉で絶えず論を興し、そうして民主主義を体現する存在として新聞はありたい〉

 批判を恐れる大メディアに読んで聞かせてやりたい言葉だが、彼らがこうしたプライドを失ったいま、市民ができることはただひとつだ。赤川氏のエッセイ集『三毛猫ホームズの遠眼鏡』(岩波書店)から、最後にこんな言葉を紹介しておきたい。

〈政権への冷静な批判を今のジャーナリズムに期待できない以上、私たち一人一人が、「戦争をしない」という意志を強く持つしかない〉
(水井多賀子)

最終更新:2015.11.04 12:26

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