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天海祐希主演『偽装の夫婦』が話題! ゲイが結婚したら偽装結婚なのか? 夫がゲイの中村うさぎが語っていた結婚論

 ただ、そうして変質した「夫婦愛」が「家族愛」にすり替わったとき、中村はセックスができなくなると言う。この中村と同じような気持ちからセックスレス状態になっている夫婦は、意外と多いのではないかと思う。そして、セックスがなくてもふたりでいることの心地よさがあればいい、と考えている人も多いだろう。逆にいえば、セックスに縛られすぎなのではないか、という気もしてくる。だからこそ、中村はセックスのない夫婦関係を、こう表現する。

「私たち夫婦の話に戻せば、気を使ってお義理でセックスする苦痛もないわけで、いわばいきなり「家族愛」からスタートした夫婦っていう感じですよね。それがすごく、私にはしっくりくるというか、落ち着くんです」

 セックスがなくても夫婦でいられる。いや、夫婦でいたい。その思いには何があるのか。

「夫婦もひとつのギブアンドテイクの関係だとすれば、私たち夫婦の場合、夫は私といることで経済生活をとりあえず保証されているわけで、普通ならその代価として家事を担ったり、セックスを与えたりというのが夫婦なんだろうけど、私の場合、彼から何を与えてもらっているんだろうと考えると、それは「目に見えない精神的な何か」としか言えないんですね」

 目に見えない精神的な何か。中村はそれを求めてきたのかもしれない、と吐露する。彼女がエッセイにしてきた自身の「買い物依存症」も、「目に見えない何かを手に入れたくてもかなわない鬱憤、ジレンマに対する代償行為」だったかもしれない、と。夫はそんな彼女の買い物依存症も、「この人のキャラクターのひとつ」と理解してくれていると思う、と話す。

「私たちの間には男女の恋愛感情は存在しない。これは事実です。でも、これ不思議なんですけど、いままでの恋愛においては「私はこんなにあなたを愛してる。で、あなたはどうなの」って不安に常に苛まれてきたけど、いまはそれがなく、これまで感じたことのない大きな安心感と、もっと言えば、「絆」っていうものを強烈に感じているんですよ」

 このインタビューで中村は、こんなふうにも語っていた。

「私、妙な自信があるんです。彼と私はそもそも恋愛関係がないから、いつかお互いに恋人ができる日が来るかもしれない。でも、そんなことで消滅してしまうような脆弱な関係じゃない、と」

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