中居は以前、『プロフェッショナル〜仕事の流儀〜』(NHK)に出演したとき、「プロフェッショナルとは?」という質問に「一流の素人、一流の二流、最高の二番手」と答えている。太田氏はその言葉から、中居のMCの魅力をこのように導き出す。
〈「プロとは?」と聞かれて「素人」と答えるのは、一見つじつまが合わない。しかし、この答えのなかにこそ、ジャニーズとMC、さらにはアイドルとMCを両立させる秘密があるのだろう。中居正広にとっては、歌って踊るアイドルがMCをやるのではなく、MCこそがアイドルである素の自分を見せるにふさわしい仕事なのである〉
締めるときはきちっと締め、おどけるときは徹底的におどけ、SMAPメンバーと絡むときはアイドルらしい〈自然に醸し出されるイチャイチャ感〉〈アイドル的なかわいさ〉も忘れない。──本書を読むと、つくづく中居正広という人物の“つかみどころのない魅力”が立体的になっていく。本書はきっと、「なんかついつい中居くんを見てしまう」という多くの人の不思議に答えてくれる一冊だろう。
(大方 草)
最終更新:2015.09.20 11:38