しかし、結成20周年を迎えるいま、前出の「SPA!」では、岡田が「今、20年やれている奇跡みたいなものを感じていて。僕は20年もこの仕事をやれているなんて思ってもいなかったし、メンバーに連れてきてもらった感覚があって。健くんなんてV6のことをすごく考えてて、携帯の待ち受けが僕らの写真ですからね」と語るなど、“グループとしての絆”を強めているらしい。
とはいえ、この言葉をそのまま受け止めて良いのだろうか? 岡田は『永遠の0』で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲るなど俳優として成功し、井ノ原は家庭的なキャラクターのキャスターとしてブレイクした一方、森田と三宅の人気は凋落、坂本・長野も以前よりさらに影が薄くなった。
「トップアイドルのカミセンとオジサン扱いのトニセン」から「成功した岡田・井ノ原、微妙な坂本・長野・森田・三宅」と、構造は変化したものの、結局、V6のメンバー内格差という問題は残り続けている。むしろ、その人気格差は広がっているといっていいだろう。
「SPA!」では「各メンバーの個別の活動には嫉妬の感情もあったのでは」というインタビュアーのツッコミに、坂本が「ないです、ないです」と必死で否定していたが、むしろ、不満をためているのはピンで十分やっていける岡田、井ノ原のほうらしい。
ジャニーズの場合、一旦、結成したグループを脱けるというのは事務所の許可がないかぎりありえないのだが、それでも、岡田、井ノ原の2人はできるだけV6の活動から距離をおこうとしているという。
一方、他のメンバーは逆にV6への依存度を高めており、森田は同インタビューで「もしV6に30周年があったとして、最悪自分はダメになっててもメンバーのうち誰かひとりでも活躍してくれてたらそれでいいやとか思わない?」と語っているほどだ。
メンバー全員30代中盤以降、坂本にいたっては44歳で迎える24時間テレビは体力的にもキツかろう。その長丁場の間にメンバー間格差を物語るような微妙な空気が流れ、「つなぐ」がテーマな番組でメンバー同士が「つながっていない」ことがバレてしまう、そんなになったりしないだろうかとついつい心配してしまうのである。
(新田 樹)
最終更新:2015.08.22 11:05