「人間の幸せ、それは友達がいることだ」「サンリオは友情を育むビジネス」と語る辻社長。サンリオには〈絶対侵すべからずふたつの規則〉があるというが、それは「他人のものを盗むな」ということと「暴力をふるうな」ということだ。
もしかするとサンリオが世界で愛される理由は、このゆるがない“暴力を憎み、平和を愛する”という思想がキャラクターたちにあたたかみを必然的に与えているからなのかもしれない。平和を希求する思いが“カワイイ”を生む──これこそ日本が世界に誇るべき文化ではないだろうか。
もちろん、いちごの王さまはいまの状況に不安を隠さない。今年4月号のメッセージで、王さまは〈世界は悲しくなるくらい全く改善されないまま時間だけが経過し、夢見ていた平和な世の中は、まだまだ、ほど遠いことに驚きと怒りを感じます〉と嘆く。だが、王さまは力強く宣言する。〈王さまは決してあきらめません〉と。
戦争とは何か、平和とは何かをちっとも考えようとしない安倍晋三首相には、ぜひ、いちごの王さまの爪の垢を煎じて飲んでほしいものだ。
(大方 草)
最終更新:2015.07.27 08:31