公式サイトも日の丸に富士山…右翼的イメージもある長渕だが実は(長渕剛 OFFICIAL WEB SITEより)
7月19日放送『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、長渕剛が安保法案について発言し大変な話題を呼んでいる。
国民の声を無視して強行採決に踏み切った戦争法案について、長渕が怒りをもって反対の狼煙を上げたのだ。
「俺たち銃持って(戦争に)行くんですか? 行かないのに、大義でもって、ここで論争してるっていうのがね、心がすごく苦しくなりますね。
歴史を紐解けば分かるように、僕の故郷の鹿児島から南下した知覧っていうところから特攻隊が出て行きました。それがいま記念館になってます。
あそこに行きますとね、心が苦しくなります。
つまり、僕らが議論すべきなのは、どの時代でも、いま10代になろうとしている、未来と称される、僕たちの自国の子どもたちが銃を持って撃っていくんです。そして、その犠牲がどんどんどんどん出ていくんですよ」
将来、戦争が始まれば、戦いに出向くのは、子どもたちである。自国の“未来”である子どもたちを危険に晒すだけでなく、彼らに人を殺させるような法案が生まれようとしている。そのことを長渕ははっきり指摘しているのだ。
彼の思いは現役の自衛隊員へも向かっていく。長渕は、3.11の震災後、東北へ足しげく通い、自衛隊駐屯地での慰問ライブも行なっている。
「震災、4年前を思い出してもらいたい。あのときにどんだけのことを自衛隊がやったか。僕も激励に行かせてもらいましたけどね。彼らを死なすのかって。彼らを死なせてしまっていいのかってことだと思うんですよ。
いまのこの流れでいくと、理屈は分からないんですけどね、感覚論としてね、戦争が近づいている気がするの。もう紛れもなくそこに近づいている気がしますよ。それをね、僕たちはどうやって阻止すべきかってことを非常に真剣に考える局面がありますよ」
さらに、彼の怒りは安倍首相へと向かう。
「戦後復興後、高らかに我々は生きてきましたけど、そのなかに負の遺産はありました。負の遺産を残しておきながら、そのことにきちっとケリもつけないくせに、次のことをやっていこうとする俺らの大将、ちょっと違うんじゃない?」
「俺らの大将」という表現はともかく(笑)、至極真っ当な意見だ。「負の遺産」というのはおそらく原発のことをさしており、原発問題を放置しておいて戦争法案をやろうとするのは違う、と、テレビではギリギリの安倍批判に踏み込んだといっていいだろう。