首相官邸ホームページ「第3次安倍内閣 閣僚等名簿」より
〈安全保障法制を合憲としている3人の学者は、皆「日本会議」に所属している。その意味と「日本会議」の影響力をどう見るか?〉
先日、6月15日。日本外国特派員協会で、憲法学者の小林節と長谷部恭男が会見を開いた。両氏は、先日の衆院憲法審査会で、同じく憲法学者の笹田栄司と共に「新安保法制は違憲」と証言したことで話題となったばかりだ。
冒頭の質問は、この会見に参加した外国特派員から飛び出たものである。ちなみに、「安全保障法制」の合憲論者で「日本会議」に関係している3人の憲法学者とは、日本大学教授の百地章、駒澤大学名誉教授の西修、中央大学名誉教授の長尾一紘だ。この質問に対して、小林節は次のように答えた。
〈日本会議の人々に共通する思いは、……日本が明治憲法下で軍事五大国だったときのように、世界に進軍したいという、そういう思いを共有する人々が集まっていて、かつそれは、自民党の中に広く根を張っていて……〉
国会で新安保法制の審議が紛糾する中、安倍政権の後ろに見え隠れする「日本会議」の存在に国際社会の目が集まっている。
今年の4月に安倍首相が米国議会で演説した後、国際的に強い発信力を持つ海外メディアが相次いで「日本会議」を取り上げて報道した。
〈経済的改革者のイメージとは程遠く、日本の総理大臣は大日本帝国への回帰を目指す極右、歴史捏造主義団体と一心同体である〉
〈地方周辺で活動していると思われていた極右団体が、日本の政治活動の中心にやってきた〉
これは今年5月、国際的な影響力を持つフランスの高級週刊誌「L’Obs」に掲載された記事、「la face cachée de Shinzo Abe(安倍晋三の隠された顔)」からの引用だ。〈大日本帝国への回帰を目指す極右、歴史捏造主義団体〉というのはもちろん「日本会議」のことである。