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「女が嫌いな女」アンケートにだまされるな!“女の敵は女”は本当なのか?

 この上野氏の論に依拠すれば、たとえば「マウンティング女子」や「格付けする女たち」というひところのブームも納得できるし、「妻に浮気をされた夫は妻自身を責めるのに対し、夫に浮気をされた妻は浮気相手の女性を責める」「好きなアイドルが結婚すると男性ファンはただがっかりするのに対し、女性ファンは相手の女性をバッシングする」という非対称性の意味もわかる。こうした女性の言動を、世間は「女の嫉妬は深い」と理解しようとするが、そうではなく、「選ばれる性」という社会構造が女性同士を競い合わせているに過ぎない。

 もちろん言うまでもなく、女の戦いが明けないのは、女が「選ばれる性」でいつづけたほうが男性社会にとっては都合がいいからだ。そう考えれば、「女が嫌いな女」という企画が女性週刊誌ではなく、男性読者をメインターゲットとした「文春」で行われている点にも合点がいく。読者には女性も多いといわれる「文春」ではあるが、これをおもに読んでいるのは男性である。

 女性の醜さを嗤い、不毛な戦いを観客として消費する──。「女が嫌いな女」ランキングは、結局、男性のミソジニー(女性嫌悪)を満たすための企画。そう思えてならないのだ。
(田岡 尼)

最終更新:2018.10.18 03:11

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