「週刊文春」(文藝春秋)2015年6月11日号
また今年も「週刊文春」(文藝春秋)の名物企画「女が嫌いな女」読者アンケートの結果が6月11日号で発表された。
通算10回目、2年振りとなるこの企画だが、今年のランキングは1位に和田アキ子、2位に泉ピン子と“常連組”がワンツーフィニッシュ。3位には安藤美姫がはじめてランクインしているが、10位以内では上西小百合議員(7位)、矢口真里(8位)、江角マキコ(9位)、小林麻耶(10位)がニューカマー。20位までならば、小保方晴子(14位)、石原さとみ(16位)、上戸彩(18位)、檀れい(20位)が初のランクインとなっている。
もちろん、誌面ではなぜ嫌いなのかもアンケートから抜粋。安藤美姫には「騒がれるたびにナンダカンダ理屈を並べたてるけど、ただの自己チュー。アスリート版の松田聖子」、上西議員には「女を最大限利用している感じが嫌い。賢いのではなくズル賢い」などと厳しい声が寄せられている。
また、石原さとみは「なんか、男に媚びてる感じがする。すべてにおいて。アイドルぶってるけど、本当に悪賢そうな感じがして生理的に嫌い」、上戸彩に対しては「『私って可愛らしいでしょ』という上目使いがあざとくて大嫌い」と、こちらは“ぶりっ子”“男性への媚び”が鼻につくのだという。
男に媚びを売る女、人を押しのけてのし上がろうとする女、完璧を振る舞う女、あるいは自分では何もできない女……。女はさまざまなタイプの女を嫌い、相手と自分をくらべて嫉んだり、ひがんだりする。女に渦巻く黒い感情、冷酷な視線──それを可視化したもののひとつが、このアンケート企画なのだろう。そして、この企画を読んだ人は深い疲れを感じながら「女は悪口を言い出すと止まらないな」「女の敵は男じゃなく女なんだ」などと思うはずだ。
こうしてこの企画は〈なぜか女性からは蛇蝎の如く嫌われるオンナがいる〉と自明化しようとするが、しかし、ここで立ち止まって考える必要がある。女が女を嫌うだけでなく、この企画は女を女嫌いに導こうとする大きなワナではないのか、と。
そもそも、「女が女を嫌う」という行為は、別に女の生まれ持った特質でもなければ、生物学上の特徴でもない。では、なぜ女が女を目の敵にして叩くのかといえば、女は男によって「選ばれる性」だからだ。