次に知っておきたいのが、料理ごとの調理法。
これからの季節、食卓に並ぶことの多い「豚の冷しゃぶ」は、沸騰したお湯で肉を“しゃぶしゃぶ”した後、氷水にとるという人が多いだろう。ところがこの手法だと、「豚肉の脂が固まって食感が悪くなり、うまみも感じられなくなる」。湯から引き揚げた肉を常温まで冷まし、冷蔵庫で冷やした野菜と盛り付けることで十分に冷え、豚肉のやわらかさをキープできるそうだ。
お弁当などにも重宝するブロッコリーは、たいていのレシピ本や料理番組では、「たっぷりのお湯でゆでる」と旧来の手順が紹介されている。しかし、ゆでるとブロッコリーに含まれるビタミンCなどの栄養素が抜けてしまうので、「フライパンにごく少量の水とともに入れ、フタをして2〜3分蒸しゆでにする」のが新常識。これでおいしさも栄養素も逃がすことはない。
また、自宅でナポリタンを作るときに知っておきたいのが、ケチャップを入れるタイミング。すべての具と麺を炒めて最後に味付けをするイメージが強いが、「具材と一緒にケチャップも炒めてから、パスタを入れる」のがベスト。こうすることで、ケチャップの水分が飛んで麺がやわらかくなりすぎることを防ぎ、なおかつケチャップの酸味が緩和され、うまみを引き出す効果もあるという。
これらの一つひとつの情報は些細なことだが、この些細な知識が料理を何倍にもおいしくしてくれる。手軽なレシピだけでなく、こうした食の新常識を併用すれば、料理が苦手な人でも簡単に料理上手になれるかもしれない。
(江崎理生)
最終更新:2015.05.31 11:12