このメモについて、百田氏は注釈として〈「TVTVTV」というのは、たかじんが作らせた制作会社「ボーイズ」の子会社「TVTVTV」のことで、「山田」というのはそこのディレクター山田晃のことだ。山田は数年、やしきたかじんの密着取材のときにカメラを回していた男である〉と書いている。
ボーイズでは、たかじんの冠番組である『たかじんのそこまで言って委員会』(読売テレビ)や『たかじんNOマネーBLACK』(テレビ大阪)を制作しており、代表取締役である相原康司氏は『殉愛』騒動の“黒幕”とも噂される人物。このほかにも『殉愛』には、相原氏と山田氏が2013年12月末にハワイで療養中のたかじんとさくら夫人のもとを訪ねる描写が登場し、山田氏はそのときのたかじんの様子をこのように証言している。
「とにかく、びっくりするくらい優しい顔になってたんです。すごく穏やかな目をしていました。大阪にいたときの目とはまるで違っていました」
さくら夫人と出会って、たかじんは変わった──これは百田氏が『殉愛』でもインタビューでも繰り返し主張してきた話だが、山田氏はその証言者のひとりというわけだ。
そして、たかじんの死後、山田氏とさくら夫人の結びつきは非常に強いものになっていく。昨年5月7日、山田氏が所属するTVTVTVが動画配信を行ってきた「日刊!たかじんのそこまでやって委員会」が「やしきたかじんオフィシャルウェブサイト」と統合し、「たかじんメモリアル」に改称。山田氏はこの責任者を任されるのだが、その直後の6月にさくら夫人がボーイズの取締役に就任。いわば、山田氏にとってさくら夫人は親会社の取締役という“上司”となり、さくら夫人が握るたかじんの版権を管理するという“ビジネスパートナー”となったわけだ。
実際、12月にはたかじんの限定フレーム切手(4530円)を5万セット発売しているが、これも「たかじんメモリアル」が販売元となっている。
しかも、2人の接点はビジネス上の関係にとどまらなかった。さくら夫人はたかじんが亡くなる2日前にあたる14年1月1日に「家鋪さくら」名義でFacebookアカウントを取得しているのだが、まだ四十九日も過ぎていない2月5日、山田氏がFacebookにアップした動画に、さくら夫人はこんなコメントを残していたのだ。
「Wow soooo cooooool!!! くまもん、今度一緒に会いに行ってくれる? 前は怖くて逃げちゃったけど。。」
山田氏が上げた動画を現在は観ることができないため、何がソークールなのかは不明だが、さくら夫人はくまモンを一緒に見に行こうと山田氏を誘うほど仲がよかったようだ。山田氏もさくら夫人に「くまもん、会いに行きましょう!!!ヽ(´ー`)ノ」と返事している。