東大生の親の半分以上が年収1000万円というデータもあるが、親の年収や教育方針などによって、子どもの成績や学歴が大きく左右されてしまう傾向は強まる一方だ。その影響ゆえだろう、親のための受験本もどんどん増えている。『ビリギャル』でも母親の教育熱心エピソードがたくさん出てくるし、母親自身も“ビリママ”として教育本を出版した。『ビリギャル』自体、受験生自身より親のほうによく読まれている。
『ビリギャル』は奇跡の大逆転物語などではなく、「中学受験のあと何年か遊んでいても、高いお金を払っていい塾に行けば大学受験はなんとかなる」という、現在の教育格差を象徴する話だったのではないか。
奇跡には、理由がある──。そして最大の理由はお金、というのが日本社会の現状なのだろう。
(本田コッペ)
最終更新:2018.10.18 03:42