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射精だけじゃない!◯◯と×××を刺激すれば男もイク!知られざる男性のオーガズム

 その常識を打ち破るのが、前立腺の存在だという。二村氏いわく前立腺とは、〈陰茎海綿体の根っこの、膀胱側のすぐ横〉にあるといい、〈まだ医学会でも謎の多い器官〉で、〈女性のスキーン腺〉、いわゆる〈Gスポットに対応しているのではないかという話も〉あるらしい。そして、二村氏によると、前立腺を刺激することで、今までにない快楽が男の身体を襲う。

〈指や器具、ペニスを肛門から挿入し、物理的に前立腺に触って刺激して、強制的に活動を促すわけです。すると刺激の信号が逆襲し、ペニスには触れていないのに勃起し前立腺液を垂れ流し、逆流した快感は脳まで届きます。そのとき全身に鳥肌が立ち、乳首・耳たぶ・太ももの内側などの性感帯が敏感になるという男性もいますね〉

 それはすなわち、女性の「膣の中でイクこと」に当たる現象だという。〈ほとんどの男性は、まさか「自分たちも中イキできるんだ」とは知らず、女性で言うクリトリス・オーガズムだけしか知らずに生きている〉と、二村氏は言う。

 さらに本書では、前立腺のエネマグラによる開発方法にまで話が及んでいる。その際には、従来のエネマグラはアメリカ製のため〈初心者が使うには相当でかい〉といい、二村氏が日本人向けに〈「処女の男性」でも抵抗なく入れることができる〉という、〈小指ほどのサイズの初心者バージョン〉を開発、その名も「プロステート・ギア」だというから、興味のある読者諸兄はググってみることをお薦めする。

〈今までに経験したことのない快感が繰り返し繰り返し訪れて、男の体はパニックを起こす〉(二村氏)とまで言わしめる、射精以外のオーガズム。

 二村氏は言う。その昔、フェラチオが〈ゲイの男性かプロの女性による変態行為の一種とみなされて〉いたが、〈AVの登場によって80年代に入ってから一般社会に加速度的に広まった〉。同様に、〈「男の乳首が性感帯であり、女性が男性の乳首を愛撫してもよい」と周知されたのは、ここ15年ほど〉。

 つまり、アナルと前立腺刺激によるオーガズムも同様の軌跡をたどる可能性があるということだ。〈カメラの前でよがり狂うことが許されない(中略)セックスの固定概念に縛られた自分を含めた男性一般〉が、こうした刺激を受けることで意識が変わり、男のセックスのありようが変わっていくということだろう。

 もしかしたら、数年後には「彼女の前でアナルをヒクヒクさせる彼氏」という絵面が当たり前になっているかもしれない。
(羽屋川ふみ)

最終更新:2018.10.18 05:51

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