「全部じゃないですけど、仕込みもあります。そうしないと面白くなんないですよ。もちろんガチもやってましたけど、ガチだとまったく手口が変わってきちゃう」
と、仕込みがあることをサラッと明かす島袋。ガチの場合は最初からお金の交渉になってしまうことが多く、作品としては生々しくなりがちなのだ。だが、島袋は女の子が仕込みなのかどうかを事前に知りたくないタイプで、「基本はガチで声を掛けてて、女のコと話が詰まってきたところで、助監督を見る」のだという。助監督から「こいつはイケるヤツだ!」という合図があったら仕込み、なかったらガチと判断しているとのことだ。
また、『私を女優にしてください』シリーズで、AV女優志望の素人女性とハメ撮りを繰り返してきたカンパニー松尾も、同様に仕込みがあることを明かしている。『私を女優にしてください』はAVメーカーに応募してきた素人女性をハメる作品だが、100%が応募ではないというのだ。
「3人の女性を揃える中で、完全に応募に頼ると、大根みたいなのばかりが並んじゃう可能性もあるんで。パッケージの見栄えも考えて、一人ぐらいはその地方のプロダクションに頼んで、AVに出たことのない女性で、出演願望がある人をセレクトしてもらって入れていました」(カンパニー松尾)
あくまでも女優志望の素人女性という点はガチだが、作品としてのクオリティーを保つためにも、いわゆる“抜ける”女性が仕込まれることもあるのだ。
男優としてのプロ意識から素人ものの裏側まで、知られざるAVの世界を知ることができる『AV男優の流儀』。これを読めば、軽々しく「AV男優になりたい!」だなんて口にできなくなるはず。日頃、AVを楽しんでいる男性諸君は、何よりもまずAV男優たちに最大限の敬意を払うべきなのだ。
(田中ヒロナ)
最終更新:2018.10.18 05:51