そんなとき、タイミングを見計らったように知人のつてで現れた”芸能関係者”の話を聞き、彼女はOLを辞める決断をしたという。いざ芸能界デビュー、と思いきや、そうではなかった。なぜか、
「自分にあるものといえば、シンクロで鍛えた肉体です。だから、それを披露するということは、わたしにとって自然に出た答えだったと思います」(「週刊現代」)
と、すんなりとヌードを決意したかのような心情が描かれている。さらにAVデビューへの決意では、
「もちろん葛藤がありました。正直なところ、AVには以前から興味があったし、セックスも興味がないほうではないので(笑)」(「週刊現代」)
「私の性癖なんですけど、恥ずかしい思いをしたいっていうのがどこかにあって。(中略)19歳のとき初めて『気持ちいい』と感じた男性とのセックスは、『足がすごく開いてエロい女だな』とか(中略)淫語をかけられながらバックでガンガン突かれて、凄く濡れちゃったんです。(中略)『AVの現場だったら、その彼よりうまい男優さんから、みんなが見てる前で、もっと虐められる』って思うとたまらなくなって。その好奇心が決め手になったのかなと」(「日刊SPA!」)
と、男性読者へのサービス精神が溢れる。
対照的なのが、日本代表選手時代に抱えたコンプレックスについての話ぶり。対照的な仄暗さを漂わせているのだ。
「みんなすごい子ばかりでした。(中略)だからわたしはどこがいいんだろう、とずっと思い続けていました。ましてや海外のトップ選手なんて観たら、落ち込むことだらけなんです。身長、美貌、身のこなし……。演技だけじゃなく、プライベートでも自信満々で、もう水に入る前から精神的に完敗でした」(「週刊現代」)
そんな話のあとで語る、「今後やってみたいプレイ」が、「襲われる感じのSEX。襲われながら、何度も何度も果ててみたい(笑)」(「週刊現代」)なのだから、自罰的な自暴自棄感も否めない。
しかし彼女は、「誰も真似のできないことをやる。そうやって、いつかはオンリーワンになりたい」(「週刊現代」)と、シンクロ時代に成就出来なかった想いを、AVで昇華しようとしている。
とあるAVプロ関係者が言う。
「挫折を経験したアスリートほど、入り込む余地のある人間はいない」
芸能人が次々とデビューしてしまい、もはや「国民的アイドルはAV女優製造工場」とも言われ、一段落した感すら漂う芸能人モノ。次にAV関係者たちが狙っているのは、本物アスリートなのかもしれない。
(羽屋川ふみ)
最終更新:2015.02.18 11:34