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「私が溺れたのはクスリじゃなく、男」 覚せい剤で逮捕された小向美奈子の壮絶な独白

 だがクスリに手を出した後の男は豹変した。小向を拘束し、気に入らないと殴る蹴るの暴力を振るう。両手では数えきれないほどクスリを吸わされた。その度に小向は思ったという。

「私はクスリに溺れたんじゃない。
 私が溺れたのは、愛していた、愛してくれていると信じていた男…」

 クスリを使ってのセックスも別れられない理由だったと認めつつ、男への愛を語る小向。しかし、遂に限界が来た小向は1年半後、男の家を逃げるようにして飛び出した。だが、新しい生活を始めたのも束の間、「話をするだけ」との約束で男と再会すると、男は小向が仕事に行くことも許さず、軟禁状態に置いた。もちろん暴力も続いた。そして仕事ができなくなった小向は、それが原因で08年9月に事務所を解雇され、翌09年1月には覚せい剤取締法違反で逮捕、起訴されたのだ。

 本書では、事件との関係もあるのか、クスリや男性遍歴もかなりボカして書かれてある。しかし、少なくとも孤独感を埋めるためにひたすら男を求め、すがるしかない小向の姿がそこにはある。そして悲しいことに小向には男を見る目が決定的に欠けていた。小向がクラブなどで出会い、優しく甘言を囁くのはクスリを勧めるロクでもない男たちばかり。そして付き合い始めると暴力を振るい、不当に拘束する。そこから逃れようともがくが、結局は孤独や快楽に流され溺れていく小向──。

 実際、小向の周りには常に男の陰があった。最初の逮捕起訴の際も、本書には描かれていない複数の男たちの存在がクスリ絡みで取り沙汰された。11年には覚せい剤を譲り受けたとして逮捕状が出されフィリピンに逃亡するという騒動を起こしているが、この時も男性の存在があった。

 それは最近になっても変わらなかったようだ。

 3度目の逮捕後に発売された「フラッシュ」(光文社)2月24日号では、1年半前に小向と付きあっていたという “年上の男”がこうコメントしている。

 「彼女とは1年間つき合いました。(略)クスリのことは僕は知らなかった。僕の前ではしなかったし、気配もなかった」

 小向はこの“年上の男”と別れた後も、六本木のサパークラブに務める男性と交際していた、いや、別の男性と同棲していた、などといくつもの男性関係が取り沙汰されている。

 小向は本書のなかで「2度とクスリはやらない」との決意とともにこんな夢を語っていた。

「もう一度、すべてを投げ捨ててもいいと思える人と巡り会い、純粋な恋をする。そして、愛する人の赤ちゃんを産む」

 しかしその夢を叶えるためにも、そして今度こそクスリを断ち切るためにも、まず、恋愛依存体質をなんとかする必要があるのではないか。小向の過去を改めて読んでみると、そんな気がしてならないのだが……。
(林グンマ)

最終更新:2017.12.13 09:26

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