メインボーカルのSU-METALは現在高校2年生の17歳。外国人からすると幼く見えるだろうが、女性アイドルとしては“少女と大人の間”といった印象だ。スクリーム&ダンス担当のYUIMETALとMOAMETALはともに中学3年生だが、それぞれの身長は153cmと151cmで小柄。日本人から見てもかなり子供っぽく、外国人からすれば完全に子供そのものだろう。
「言葉を選ばないで表現してしまえば、BABYMETALは女性アイドルの中でも“ロリコン臭”が強いわけです。そんな子たちがヘヴィメタルをやっているということで、日本人も外国人もそのアンバランスさを面白がっているんだと思います。なので、YUIMETALとMOAMETALが大人になっちゃったらむつかしいんじゃないでしょうか」(前出アイドルライター)
どうやら“ロリコン臭”があってこそのBABYMETALということのようだが、もちろん、これは最初から狙ったものだ、
「今のアイドルは、コンセプト、アイディア勝負になっている。どこも今までにない設定を探している。BABYMETALの場合は、本人たちになんの志向もなかったわけですから、一から十まで事務所側が仕掛けたということでしょうね」(前出音楽ライター)
女性アイドルグループが乱立する昨今。BABYMETALのように、アイディアやコンセプトでブレイクを狙おうとするグループも少なくないが、成功例はでんぱ組.incや、解散してしまったBiSなどごく一部。ライブハウスでは夜な夜な“自称個性的”なアイドルグループが登場しては消えているというのが現状だ。
「でんぱ組.incやBiSのサブカル志向はもともと本人たちの中にあったものですからね。やっぱり偽物は簡単に淘汰されてしまう。たとえば“ロック”にこだわったコンセプトのアイドルグループも多いですが、“ギターが鳴ってればロック”みたいなものばかりで正直酷い有り様です。“アイドルが流行ってるから、なんかやってみるか”っていう一山当ててやろう的な考えではさすがに成功しませんね」(前出音楽ライター)
そんな中で、本人たちにヘヴィメタ志向のない“偽物”BABYMETALがブレイクしたのは、楽曲的なクオリティーがびっくりするくらい高かったからだろう。もともと3人の歌やダンスがかなりのレベルにあったことに加え、所属しているのはサザンオールスターズや福山雅治、Perfume、ONE OK ROCKなど、人気アーティストが多数所属している音楽事務所の最大手アミューズ。もともとメジャーで売れる音楽を作り出す手腕があり、“売れそうなメタル”の楽曲を世に出すだけのベースをしっかりと持っていた。アイディアを具現化するための楽曲制作のノウハウがあったのである。
ようするに、“小さな女の子がヘヴィメタルをやったら面白いんじゃね?”という誰もが思いつきそうなシンプルなアイディアを、プロの音楽事務所のノウハウで真剣に作ってみたら、ウケちゃった、というのがBABYMETALの真実なのではないか。そう考えると、ちょっと興ざめな感じもしなくもないが、おとなの思惑で仕掛けられたのはAKBやももクロも同じ。ここまできたら、ロリメタル路線をつきつめていけるところまでいってほしい。
(田中ヒロナ)
最終更新:2017.12.09 05:10