『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)
「妹キャラ」「ロリフェイス」で絶大な人気を誇るAV女優・紗倉まな。バカリズム、宮川大輔、おぎやはぎの小木ら芸人にもファンが多いことで知られる紗倉が、自伝的エッセイ『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)を出版し話題を呼んでいる。
紗倉は高専(高等専門学校)在学中の2012年にAVデビュー、一躍トップ人気に。今やAVだけにとどまらず、『ゴッドタン』(テレビ東京)の名物企画「キス我慢選手権」をはじめとするテレビ出演や、トヨタ運営のサイトでコラム執筆など、幅広い活躍を見せている。
しかし、なんといってもその名を知らしめたのは13年10月18日発売の「フライデー」に明石家さんまと密会デートが報じられたことだろう。さんまはもともと紗倉ファンをテレビでも公言していたが、紗倉との密会をタイミングよく撮られたことで、「ハニートラップ」と言い訳。「売名行為」との批判が紗倉に向けられた一件でもあった。
そんな紗倉の自伝エッセイ。そこにはデビューに至るまでの心境、親バレなどAV業界の内情も描かれ、確かに紗倉らしい独自の不思議ワールドが広がっている。
まずはAV女優になったきっかけだが、これもちょっと変わっている。紗倉がAV女優を志したのはなんと紗倉がまだ14歳のとき。父の書斎にこっそりまぎれていたAVを視て、その存在を初めて知り、同時に「AV女優になりたい」と思ったという。
「初めての映像…AVに、私は思わず見入ってしまいました。
男性と女性が絡み合っている映像は、不思議なことにとてもキレイに見えました。普通の感覚で観てみれば、「お父さん、いやらしい」なんて嫌悪感を抱いたりするのかもしれません。でも私は、「女性の体って、こんなにキレイなんだ…」と、感動してしまったんです」
「アダルトビデオの中の女優さんが、スポットライトをあてられているように輝いて見えたのです」
紗倉のなかにAV女優の存在が深く刻み込まれ、「憧れの職業」であり「輝くべき選択肢の一つ」だと思うようになったという。
紗倉はその後工業系の高専に進み、知り合った一回り年上の男性との初Hを体験する。だが紗倉にとってそれは「あまり印象にのこっていません」という意外なものだった。
「アダルトビデオで見たセックスはとてもキレイで芸術的だったのに……。自分が体験したセックスには、思い描いていた美しさは何もない。ショックでした」
初体験のショックから、より一層AV女優に憧れ、「裸になって自分を表現したい」という気持ちを強く持つようになった紗倉。実際その行動は早かった。AV女優になれる18歳の誕生日の翌日には、ネットで見つけたAV事務所にメールをして面接を受けるべく上京するのだ。