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年末特別企画 リテラの2014年振り返り

ほとんどブラック! カリスマ経営者のトンデモ経営哲学2014ワースト5

★第4位 セゾンファクトリー代表取締役社長 齋藤峰彰
「私は経営者として様々な会社、組織を見てきたが、あらゆる組織の中で、学校の体育会、運動部こそが理想的ではないかと考えている。(略)それを理解してもらうために、『超』を加えた、超体育会主義と表現している」
(『セゾンファクトリー 社員と熱狂する経営』/日経BP社)

「旬の工場」という意味の社名を持つセゾンファクトリー。89年に山形県高畠町で創業した高級加工食品メーカーで現在の売上高は約30億円、社員は約280人だ。季節ごとに最高の素材を使い、最高の方法によって加工するジュースやジャムの中には1点で4000円を超える商品もあり、東京・新宿の伊勢丹をはじめいわゆる“デパ地下”に約30店を出店している。地元産品を日本中に高付加価値で売るビジネスモデルの成功の秘訣を創業者である齋藤社長は「決めたことを全員で全力で取り組む」「超体育会主義」にあるとしている。
「まず何よりもお伝えしたいのは声の大きさだ(略)社員に対して『10メートル離れた顧客からも聞こえる大きな声で話す』ことを徹底している」
 そもそもは「もっと人を大切にする会社にしたい」と独立。当初は地元のやんちゃな若者たちを雇用してきただけに、その頃の教育方法が「超体育会主義」として現在まで続いているのだ。社員と全力で取り組むためには、超体育会主義的なイベントも目白押しだ。
 5月は社内イベント「大桜祭り」で新入社員は1カ月かけて準備した余興を披露し、全社員が出身高校別に分かれた「校歌対抗」合戦を行う。夏は本社の駐車場内の仮設の大型プールに続々放り込まれる「ビアパーティ」。ここでも数カ月かけて準備してきた余興を行う。秋には芋煮会、12月にはクリスマス、2月には「スピリットミーティング」(経営計画発表会)。この他に多い「年で10回ほど」開く「体育の日」(スポーツ大会)がある。
「イベントで育まれることのうち、特に大切なのは団結力だ。私は苦境を突破する上で、団結に勝るものはないと思っている」 
「バカになる姿勢」が大事でそのためには社員は余興が欠かせないという。それにしても、余興の準備の時間はいったいどれだけかかるのだろうか。
 この齋藤社長は超体育会主義的なイベントに疑問を持っていないようで、あるとき、退職するある社員にその理由を聞いたところ、「『社内イベントがあまりない普通の会社に就職したい』と言われた。(略)とても驚いた」というほどだ。
 齋藤社長の大きな夢は「世界のどこにいっても通用する『食のスーパーブランド』を構築すること」だそうだが、その夢をかなえたいのならば、社員が疲弊する前に、余興を減らした方がいいと思うのだが……。

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