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東村アキコが「ナタリー」の広告利用を批判! パブ記事はネットニュース最大の問題!?

 しかし、事前に説明しなかったということは論外としても、パブリシティ記事という問題は、ナタリーだけのものではない。読者の多くはあまり気づいていないかもしれないが、実は多くのメディアでこうしたパブ企画が氾濫している。企業やその商品、イベントなどを普通のニュース記事として取り上げたり、著名人インタビューのような体裁をとっている記事が実は企業などがメディアにお金を出し、制作させているケースも少なくない。

 とくにパブ記事が多いのがネットニュースだ。ネットニュースは基本的に無料のサイトが多いため、広告を収入源にしているのだが、バナー等のネットワーク広告は単価が安く、あまり大きな収益にはならない。

 そこで、多くのニュースサイトは、バナー広告よりも読者に読まれる確率が高く、ゆえに単価の高いパブリシティ記事に走る。実際、パブリシティ記事は今、「ネイティブアド」「ブランドコンテンツ」などと呼ばれ、ニュースサイトのマネタイズの中心になりつつある。サイトによっては、ほとんどがパブ記事というサイトもあるし、ナタリーも右サイドにある「特集・インタビュー」のかなりの部分はタイアップ、パブリシティ記事だ。

 しかも、ネットのニュースサイトは、雑誌と違って、記事に「PR」「オススメ」のようなパブ記事を示す記号をつけないで、普通の記事のように流しているパターンが多い。

 これは、ネットのニュースサイトにとって最大の問題点といえるだろう。どんなにいい記事を書いていても、そこに、お金で操作された情報が判別のつかないかたちで混ざっている以上、もはやジャーナリズムとは名乗る資格はない。

 それは、こんな風にエラソーに解説している本サイトも同様だ。幸い(経営的には不幸にもといったほうがいいだろうが)ヨゴレのイメージが強い私たちのようなメディアにはほとんどパブリシティのオファーはない。だが、それでも、リテラはこの半年間で1回だけパブリシティ記事を掲載したことがある。

 そして、赤字経営の現状を考えると、おそらく今後もパブリシティ記事のオファーがあれば、断ることはできないだろう。今、私たちが読者のみなさんに約束できることは、掲載の際にパブリシティ記事だときちんとわかるようなサインをつけること、編集方針に反するような内容やクライアントのPRは拒否すること、この2つくらいしかない。

 赤字だからパブ記事を載せさせてほしいというのが勝手な理屈だということは重々承知している。だから理解してほしいとはいわない。しかし、この現実を知った上でリテラを読んでほしい、と切に願う次第である。(というか、そもそもオファーなど来ないかもしれないが)
(編集部)

最終更新:2014.12.22 10:50

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