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なぜ、サヨク・リベラルは人気がないのか…社会心理学で原因が判明!?

 これは驚くべきことだ。なぜならば、保守主義の政治家は有権者に訴える際、リベラルの政治家よりも多くの手段を有していることになるからである。ハイトは、アメリカでこれまで共和党のほうが支持をうまくとりつけてきた理由をここに見いだす。民主党はもっぱら〈ケア〉〈公正〉〈自由〉の3基盤のみを使ってアピールしてきたが、共和党は6つのチャンネルを総動員してきたというのがハイトの分析だ。

 と、言ってもリベラルにはにわかに信じられないだろう。〈忠誠〉〈権威〉〈神聖〉のチャンネルはともかく、なぜ〈ケア〉〈公正〉〈自由〉のチャンネルが保守主義者を動かせるのか、と。

 そこには、この3基盤が働く範囲が、リベラルと保守とで違っているという事実がある。たとえば、保守主義者の〈ケア〉は、普遍主義を目指すリベラルのそれよりも、より限定的な範囲で用いられている。〈ケア〉の基盤はもともと、種の繁栄のために子孫を危険から守らねばならないという直感によって搭載されたものだ。したがって、保守政治家は“自国の”負傷兵をねぎらい、個々の“家族”(とりわけ子どもたち)を、“他国の”軍事力の危険にさらすわけにはいかないと力説することで大衆の支持を得る。これは“ゆるやかなリベラル”が左派政党に失望したときに、ただちに有力保守政党の支持へと舵をとるという現象についても説明してくれる。

 また、〈公正〉基盤と〈自由〉基盤は、ともに保守の“比例配分”の考え方とリンクしている。リベラルは〈公正〉を、利益や権利の“均等配分”と考える。また〈自由〉は暴君による圧政などへの“反抗”と位置づけている。だが、(リバタリアンを含む)保守主義者の捉え方はこれとことなる。

 たとえば、生活保護バッシングや、貧困問題に対する「自己責任論」を考えてみると話は早い。リベラルはこれらを批判するが、一方の保守主義者やリバタリアンは「努力に見合った分だけ、その取り分をもらうべき」という“比例配分”の考えを支持する。彼らを支配するのは「自分たちが受け取るべきベネフィットを“落伍者”に譲るのは“不当”だ」という感情だ。これが「右」の〈公正〉基盤であり、保守政治家(ここでは共和党)は自由主義の経済政策を押し進めることでこれに応えている。

 この種の因果応報的な考えは、リベラルが最も重視する〈ケア〉基盤との矛盾を引き起こす。その場合、リベラルは一時的に〈公正〉基盤よりも〈ケア〉基盤を優先する。一方、保守はリベラルほど〈ケア〉に重点を置かないから、もっぱら〈公正〉基盤に根ざして自己責任論をふりかざす。端的にいえば、リベラルと保守の“平等”に対する感覚は異なっているというわけだ。そして、今の日本では、この保守の“平等観”のほうが圧倒的に力を持っているといえる。

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