さんざんネトウヨや極右論客は“韓国メディアの仕業だ!”と証拠もなく決めつけ、息巻いていたものの、じつのところその“真犯人”は、新型コロナ感染拡大の問題をも放り出し、局をあげて五輪礼賛報道に明け暮れている日本テレビ、しかも「また日本が金メダル!」と朝から大はしゃぎしつづけている『スッキリ』のクルーだったとは──。ようするに、夕刊フジが「妨害光線」としたのは日テレ取材クルーのたんなる不手際であり、ネトウヨや加藤清隆氏が言いふらした「韓国のクルー」というのは根も葉もないデマだったのである。
証拠もなく「韓国の仕業」「韓国の捏造」「反日韓国」などというデマが平然と垂れ流される状況、そして五輪を“ヘイトを喧伝する格好の舞台”として利用するネトウヨや極右メディアの害悪……。だが、責任は日テレにもある。ネット上でこれだけデマが拡散されていることを日テレや『スッキリ』スタッフが知らなかったはずがない。にもかかわらず、熱狂的な五輪報道でナショナリズムを煽りつづける一方、取材時に不手際があったことには一言も触れず、取材を受けるまでデマを放置してきたからだ。
いや、問題は日テレだけではない。東京五輪の開会式では選手入場行進に、性的マイノリティへの差別同調や歴史修正主義発言を繰り返している“現役レイシスト”の作曲家・すぎやまこういち氏のゲーム音楽が使用されたが、その問題をしっかり真正面から指摘した国内大手メディアは皆無だった。メディアがレイシズムに対して厳しい姿勢を持たず、それどころか「韓国は反日」などというヘイトを煽るようなニュースに明け暮れる結果、このようにネトウヨによるデマの跋扈を許す一因になっているのである。
(編集部)
最終更新:2021.08.05 09:11