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菅首相批判の映画『パンケーキを毒見する』のTwitterはなぜ凍結されたのか? プロデューサーは「政治的意図を疑わざるをえない」

Twitterアカウントが一時凍結に


 菅首相と政権を批判するドキュメンタリー映画『パンケーキを毒見する』の公式Twitterアカウントが、一時凍結されたことが、大きな話題になっている。

『パンケーキを毒見する』は菅首相に迫るドキュメンタリー映画で、監督は内山雄人氏。俳優の古舘寛治がナレーターを務め、自民党の石破茂・元幹事長や村上誠一郎衆院議員、立憲民主党の江田憲司衆院議員といった与野党の政治家や、加計問題告発をめぐり官邸の謀略攻撃に遭った前川喜平・元文科事務次官、菅官房長官の圧力で『報ステ』を降板させられた元経産官僚の古賀茂明氏、国会パブリックビューイングなどで知られる上西充子・法政大教授といった政治家や学者、ジャーナリストなどへのインタビュー、菅首相の過去の答弁の検証などを通して、菅政権の正体に迫るというもの。

 配給会社はスターサンズ、企画・プロデュースは同社社長の河村光庸氏。河村氏は、東京新聞・望月衣塑子記者原作の映画『新聞記者』のプロデューサーでもある。ようするに『新聞記者』では一応、フィクションとして描かれた政権の実態にドミュメンタリーとして迫った映画、といっていいだろう。

 スターサンズは、公開日である7月30日に向けて、『パンケーキを毒見する』公式Twitterアカウントを開設。ところが、完成披露試写会を行い、ポスターや予告動画も公開するなど、宣伝を本格的に開始した6月23日夜、そのアカウントが突如、凍結されたのだ。

 スターサンズが24日、ツイッター社に問い合わせたところ、25日未明にメールで「ツイッターのルールに繰り返し違反したため、凍結されました。今回の凍結は継続される見込みです」と回答があったが、どのルールに違反していたかの言及はなかったという。

 結局、朝日新聞などがこの事実を報じた後の25日午前、凍結は解除され、アカウントは復活したが、結局、Twitter Japanはなんのルールに違反したのか、理由を明かしていない。スターサンズ社長で、同作の企画・プロデューサーを務める河村光庸氏は朝日新聞の取材に対し、こう語っている。

「ツイッター社からちゃんとした説明がなく、現状では政治的な意図を疑わざるを得ない。ちゃんと誠意ある回答をしてほしい」

 実際、この凍結はあまりにも不自然だ。というのも『パンケーキ』のツイッターを見ても、投稿内容に「ルール違反」があった形跡がないからだ。アカウントは今年4月に開設され、5月21日から投稿が始まっているが、現時点で確認できる範囲では、差別や誹謗中傷、個人攻撃のような類の投稿は見当たらない。告知のほか、共産党の志位和夫委員長のツイートや、映画にも登場する上西充子・法政大教授や古賀茂明氏のツイートや、国会ウォッチャーなどのツイートをリツイートしているくらい。それらも、ごく穏当なツイートばかりだ。投稿内容が、ルールに抵触していたとは到底考えられないし、著作権違反なども見当たらない。

 アカウントの運営方法やシステムに不備があった可能性もあるが、スターサンズや河村氏のコメントを読むかぎり、その可能性も低い。

 そうしたことを考えると、今回のTwitterアカウント凍結が、菅政権批判のドキュメンタリー映画だったことが原因ではないかという疑念を持つのは当然だろう。

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