松本や東野は結婚や出産を利用して女性が辞めると言っているが、起用する側のほうが結婚や出産を利用して若くなくなった女性を辞めさせているだけだ。
にもかかわらず、松本や東野は結婚や出産に影響されず仕事が続けられるという自分たち男性の優位性を転倒させて、「結婚や出産があるから女性は辞められる」などと、女性の特権のように言い立てるのだ。
女性蔑視が横行するブラック企業で、男性管理職がけ出産した女性を退職に追い込みながら、「女はいいよな、子どもができて辞められるから」などとうそぶいているケースがよくあるが、松本や東野の態度はそれとそっくりだ。
もっといえば、ありもしない「特権」を作り出して被差別者を攻撃するという意味では、ネトウヨの「在日特権」デマや「女尊男卑」の発想そのものといってもいい。
そして、問題はこうした現実を隠蔽する女性蔑視発言が地上波のテレビで堂々と垂れ流され、何の批判もされていないことだ。ふだんは、松本と指原のやり取りに食いつくスポーツ紙も今回はまったくと言っていいほど触れていない。これは、松本の批判がタブーになっているうえ、自分たちにも同じ発想があるからだろう。
こうしたメディアの姿勢を見ていると、この国で、女性が結婚・出産しても当たり前に仕事ができる状況がなぜ一向に実現されないのか、その理由がよくわかるというものだ。
(本田コッペ)
最終更新:2020.07.15 12:29