会見する宮迫と亮(撮影・編集部)
「お前らテープ回してないやろな」
「お前辞めて1人で会見したらええわ。やってもええけど、そんなら全員連帯責任でクビにするからな。それでもええんなら記者会見やれ」
「俺にはお前ら全員クビにする力があるんや」
「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本が株主やから大丈夫や」
これは反社会的勢力の人間の言葉ではない、吉本興業幹部の言葉だ。20日15時より、緊急に開かれた宮迫博之(雨上がり決死隊)とロンブー・田村亮の会見で2人によって明かされたもの。
宮迫らの闇営業問題について、本サイトでは当初より、吉本興業の責任、隠蔽に関与しているのではないかと批判してきたが、宮迫と亮の口から語られたのは、想像以上の酷い吉本の実態だった。吉本興業のこれまでの説明の真っ赤な嘘が次々と明らかになったのだ。
会見冒頭、詐欺の被害者や被害者家族らに謝罪したのち、最初の質問で記者から引退報道について問われた宮迫が「引退を覚悟して謝罪会見をしたいということは会社に伝えたことはございます。その引退してでも記者会見をしたいという経緯をお話しすると、非常に長くなってしまいますがよろしいでしょうか」と前置きし、宮迫が語ったこの間の経緯は、これまでの吉本興業の説明とはまったく違うものだった。
宮迫と亮らの金銭授受を吉本興業が発表したのは6月24日のことだが、実は宮迫と亮が金銭授受を吉本に伝えたのは、第1弾の「フライデー」発売日(そして宮迫らがSNSで金銭授受を否定した6月7日)の翌日の6月8日のことだったというのだ。
宮迫「(第1弾の「フライデー」が発売された)次の日に、亮くんから電話があり「お金のこと言いましょう」と。それでも僕は「打ち上げ代を出してもらっただけ」と思い込みたい保身があった。亮くんにいくらもらったか訊くと、50万だと答え、俺はいくらもらったのか聞くと100万だと。それでもまだ僕は「それで打ち上げ代払っただけやろ?」と。すると「宮迫さんはそのお釣りを受け取っていました」と。それはもう会社に言わなあかんということになり、その足で2人会社に行きました。
そしてHG、ガリットチュウ福島くんと合流し、吉本興業社員2人、吉本興業の弁護士さん2人、計8人で。それが6月8日のことです。金をもらったと、会社が発表するのはそののちの24日です。8日から24日まで間が空いています。それは僕たちがそのときに社員、弁護士に、すべて金額などすべて言いました。「いまさらひっくり返せませんよ」と。僕もそれは思ってしまいました。どれだけの騒動になるのか、どれだけの迷惑がかかってしまうのか、怖くてたまりませんでした。それで8日から「ずっと静観でいきましょう」と言われました。僕たちも納得してしまいました」
宮迫は、亮から「お金のこと言いましょう」と言われても、「打ち上げ代払っただけ」と嘘をつき続けようとし、さらに亮から「宮迫さんはそのお釣りを受け取っていました」と説得されたという自身の往生際の悪さまで明かしていること。またこの前段でも、「お金をもらっていない」という口裏合わせについて報じられている入江や亮でなく宮迫自身が「指示」したと、質問されてもいないのに自ら明かしていたことを考えると、宮迫のこの説明に嘘はないだろう。
つまり吉本興業は、宮迫と亮から金銭授受の事実を、第一弾の「フライデー」発売翌日の6月8日には知らされながら、2週間以上もその事実を隠蔽していたということになるのだ。