ファッション、グルメ、映画・ドラマ、文学、音楽と、ありとあらゆる分野で韓国カルチャーが大きな人気を集めているのは揺るがしようのない事実なのだが、そういったことを説明しただけで白本のような炎上が起きてしまう。
それは今回に限った話ではない。
たとえば、今年4月3日に放送された『あさイチ』(NHK)もそうだった。この日の『あさイチ』は「大人は知らない!? 最新 中高生トレンド」という特集で「韓国カルチャー」を取り上げた。番組では、ティーン向けファッション雑誌「ニコラ」(新潮社)モデルの涼凪と藤本林花美愛を案内人に東京・新大久保を散策。インタビューなどを交えながら、いまの中高生がK-POP、韓国コスメ、韓国グルメ、ハングルなどの韓国文化に夢中になっている様子を紹介したのだが、その内容が炎上したのだ。
ネトウヨからは番組に対して〈今朝のNHKあさイチの韓国特集は酷かった。間違いなくBPO案件〉〈一般的に日韓関係が冷え切っている状況で韓国ブームはあり得ない。現在ニュースで放送している内容は何? 無理矢理流行を作ったり嘘のニュースを流す時点で公共の意味を理解していないのでNHKの役割は終わったってコト〉といったコメントが殺到した。
こういった例は枚挙に暇がない。
フィギュアスケートの本田真凜選手は2017年に世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得した際、練習と試合をがんばった自分へのご褒美として韓国旅行に行きたいと明かし「ファッションが好きなので、楽しみ」と語ったところ、大バッシングを受けた。
乃木坂46(当時)の生駒里奈もブログ(2017年2月28日)に〈最近K-POPの素晴らしさに魅了されました。ルックスも、ダンスも歌もすごいっっ気づいたらずっとMVみてます。はぁ、同い年、年下の方もいて、こんなレベルでアイドルしてちゃダメだなと反省。頑張ろうとやる気も湧きます!ルックス、体型は無理だから、せめて技術だけでもあげなきゃね〉との投稿をして、少なくない数の攻撃を受けた。
そのため、タレントの側も自主規制をして、韓国カルチャーに関する発言を控えるようになっている。藤田ニコルは今年1月20日放送の『サンデー・ジャポン』(TBS)で、こんな複雑な心情を告白していた。
「私が韓国旅行に行ったりだとか、K-POPの音楽を聴いているだけで、一部の人からけっこう言われたりします。そういう言葉を一部の方から、ツイッターとかインスタグラムとかで来るので、『あ……、こういう感じなんだなぁ……』って」