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ローラ、ウーマン村本、りゅうちぇる…社会問題にコミットし考えを深化させた芸能人たち!「芸能人よく言った大賞」(後編)

 反動的説教オヤジばかりが重宝されるワイドショーや情報番組にあって、多様性とリベラルなスタンスを崩さず高い評価を集めてきたりゅうちぇる。2018年も感心させられる発言を連発した。自分の私生活にも関わる子どものキラキラネーム問題や家事分担の話題、同性婚の問題で一貫して多様性や個性の重要性を主張。また、2018年は沖縄をめぐる問題に関してもメッセージを発信した。

 6月23日の沖縄「慰霊の日」を前に、複数のメディアでインタビューに登場。おばあから聞いた沖縄戦のむごさ、「戦争は人を変えてしまう。皆が皆悪い人じゃないし、皆が皆いい人でもない」という言葉を紹介したうえ、米軍基地問題についても言及した。

「今も米軍基地があるから、戦争を身近に感じます。宜野湾市にあった自宅前には普天間飛行場があり、ヘリコプターや飛行機が爆音を響かせて飛行するのは当たり前の光景でした」
「危険と隣り合わせだと感じたのは、2004年に米軍ヘリが沖縄国際大(同市)に墜落した時です。(略)ヘリが上空で旋回するのを眺めていたら、急に止まって、垂直に落ちたのです。その光景は忘れられません」

 さらには、辺野古の新基地建設作業の停止を求めるホワイトハウスへの署名に関する情報共有をツイッターやインスタグラムを通じて行った。

 りゅうちぇるが素晴らしいのは、こういった社会的トピックに対する言及を、りゅうちぇるらしい、自分自身の言葉で行えているところだ。しかも、炎上したり、批判されたときに、沈黙したりごまかしたりするのでなく、きちんと正面から反論する。そして、議論の本質を外さない。

 たとえば、子どもの名前がキラキラネームだと批判を受けたとき、りゅうちぇるは反差別の思いを込めたという名前の由来を説明したが、それで「ぼくはちゃんと考えました」と弁明するのではなく、名前や外見でいじめることのおかしさのほうを訴えた。

『news zero』同性婚特集に出演した際も、現行の法制度内での代替策を番組が紹介したことに対し、「こういう取り組みを紹介するということは、やさしさだなと思うんですけど。お金がかかっちゃうのかって。やっぱり、愛を証明するためにお金がかかるっていうのは、ふつうじゃあり得ない話」と、本質を指摘した。

 伝統を大切にすべきという同性婚への反対意見に、「多様性が大事だからそういう意見もあっていい」としつつも、“「多様性を認めない」というのも一つの意見”“差別も一つの意見”みたいな、頭がいいつもりの冷笑系や中立厨が陥りがちな陥穽にハマることなく、「でもそれ(伝統)にとらわれてしまって、自分の生きていく人生、自分の個性や、自分の色に、自分のなかで制限をかけてしまうというのは、この世界、やっぱり、いまから生きていく世界のなかではとっても悲しいこと」と、伝統と多様性・個性がぶつかる場面では、多様性・個性のほうが尊重されるべきとキッパリ断言した。

 文句のつけようがない、りゅうちぇるの誠実で冷静な姿勢。今年もぜひこの調子で自分の思いを伝え続けてほしい。

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