たしかに、清塚氏や乙武氏は、この間の『ワイドショー』には見られなかった論点ではあるが、特に「実態はネトウヨの韓国差別だ」とか「日本の戦争責任を省みろ」などと、ネトウヨ批判をしたわけでも、日本批判をしたわけでもない。ただ、歴史を学ぶことや日韓友好を訴えただけの、ごく穏当、というかごく常識的な発言をしたにすぎない。
こんな程度の発言すら許容できないとは、ネトウヨの頭の中は戦時中なのかと疑いたくなるが、しかし、こうしたネトウヨのヒステリーさとは対照的に、時間が経つにつれて少しではあるがBTS騒動に対する冷静な議論もちらほら出てきている。
たとえば、この日、『ワイドナショー』の裏番組である『サンデージャポン』(TBS)でも、番組全体としてはBTS批判の声もあったが、武井壮がこんな鋭い意見を口にしていた。
「日本は原爆の唯一の被爆国だから、こういう思いを抱くのは当然だと思いますが、戦争ではただ単なる被害者ではないから、日本人が過去にしてきたこともたくさんあって、僕らも戦争のこと全部知っているわけではないし、韓国の人がどれくらい知っているのかわからなくて」
「(韓国の人が)誰もいないところでただ悪い悪いって言うのはイヤ。いろんな人がいるところで議論したい」
また、MCの太田光もこんな言葉を口にしていた。
「これを機に、韓国の人が日本人が原爆のことをどれだけ悲しいと思っているか。日本人が韓国人が慰安婦のことでどれだけ傷ついているのか。相互理解してみてほしい」
ネトウヨに飲み込まれそうになっているこの国のワイドショー言論にあって、こうした論調が少しずつでも出てくるということは、一筋の光といっていいだろう。
(編集部)
最終更新:2018.11.19 09:09