日韓ハーフのピアニスト清塚信也は冷静な議論呼びかけ
「でも、逆に僕はこれは韓国と日本が仲良くなれるチャンスだとも思っているんです。というのも、僕は韓国とのハーフなんですね。日本育ちで日本生まれなんですけど。親戚、韓国にもいるんです。国籍は日本なんですけど。
でも、だからこそ家族として付き合って、韓国人の良さ・悪さ、日本人の良さ・悪さ、知っているつもりなんですね。すごい近い国でありながら、ものすごいやっぱり国民性ちがうんですね。なので、仲良くできるなあっていうところと、やっぱりこれは時間かかるかなあと思うところと、正直あるんですね」
清塚は父親が日本人で母親が韓国人という自らのルーツを明かしながら、日韓それぞれに良いところも悪いところもあり、それぞれの違いは折り合うのが難しい感じるところもあると、自らの経験と実感をもとに語ったうえで、その困難もまた、悲観したり断絶したりするようなものではないとして、こう続けている。
「でも、それは、他人同士、日本人同士だって同じことじゃないですか。だから、ようはこの問題で極論化しちゃいけないと思うんですよ。これを受けて韓国人もしくは韓国全土が日本を敵視してるとかそういうふうにどうしても思いがち。それがすごくナンセンスだと思って。僕の親戚とか友だちとかも含め、個人レベルで話したときに日本人を悪く言う人なんて見たことないですよ。ものすごく仲良いし、むしろこれだけ相補性があって補える関係だったら世界にも誇れる友人関係になれるって思ってる人がすごく多いんで。これをむしろ乗り越えたら、そういう信頼が逆にできるチャンスだと僕は思ってるんで、ぜひ極論化しないで。(原爆Tシャツは)ダメですけど、ダメで終わりにして、それ以上なんか国際的な問題がどうこうっていうふうに思う必要ないって思っています」
ワイドショーをはじめとするはじめとする日本のメディアでは、このBTS問題に限らず、韓国国民の声として日本側を過激に非難する右派的な声ばかりをピックアップして紹介し、日本人の嫌韓感情を煽り立てることが多い。そのためか「反日教育を叩き込まれた韓国人は全員反日だ」などという言説を信じ込んでいるのもディープなネトウヨだけではないだろう。しかし清塚は「個人レベルで話したときに日本人を悪く言う人なんて見たことない」と自らの経験をもとに、こうした論調に異を唱えた。今回の騒動を日韓対立の道具にするのでなく、むしろ友好のチャンスに変えるべきだという主張を展開したのだ。