仲里依紗インスタグラムより
女優の仲里依紗がインスタグラムのストーリー(9月5日)に投稿した文章が話題を呼んでいる。
2013年に俳優の中尾明慶と結婚し、現在は4歳の長男がいる仲。俳優にはめずらしく、仲も中尾もテレビなどで結婚生活について積極的に語り、SNS上でプライベートなやりとりをするなど、その仲良しぶりは有名だが、この日、仲はこんなグチめいた投稿をしたのだ。
〈てか思うんだけど、男の人が梨の皮を剥いただけでエライとかすごいって言われるのずるいと思うわけ!! じゃあ私が仮に梨の皮むきも出来なくてガタガタな剥き方だったら絶対ヤバイと言われるはず!! 女子は出来て当たり前みたいなの差別すぎると思うの!!〉
〈男だから女だからじゃなくて生きているなら人間みんな一緒なんだぞ!〉
実はこのストーリーが投稿される2日前、夫の中尾が自身のインスタグラムに〈私は梨を剥くのに、10分かかりましたが。そんな人間もいるという事をお忘れなく ちょっとずつ。。。〉というコメントとともに、かなり慣れない手つきで剥いたと思われるデコボコの梨の写真をアップしている。それに対し、フォロワーから〈やってくれることが、奥様にとっては嬉しいものです〉〈え、家族のために梨を剥いたんですよね!? てことは神様ですか?〉〈私の旦那さんにも見習ってほしい〉といったコメントが殺到。仲のストーリーは中尾とフォロワーとの間でなされたこの一連の流れに対して抱いた違和感を投稿したものだろう。
●仲里依紗の投稿が提起する、「家事は女性がやるのが当たり前」という差別
彼女はストーリーに日常生活のなかで感じたボヤキやグチを投稿することが多い。たとえば、先月8日には、台風が近付くなかママチャリで子どもを送り迎えしなければならない状況に〈まじイライラする、ほんとイライラする。どうしたらいい、これ?〉〈やっぱりみんなのメッセージ見てるとさぁ、やっぱりもう母親、ママ、もう母ってもう、大変だと思う、もうすごいね、大変だと思う。もう世の中のお父さん、よろしくね!〉とポストして話題となったこともある。
こういった飾らないストーリーを投稿することも多いことから共感する女性のフォロワーも多く、今回の「梨の皮むき」に関する主張も大きな反響があり、コメントも多数送られてきたと、その後に投稿したストーリーで報告している。
しかし、仲が今回ストーリー投稿で言いたかったのは、単に中尾に関するグチや文句ではないだろう。仲は、たとえば、ニュースサイト「ダ・ヴィンチニュース」(2018年9月6日付)のインタビューで、自身の家庭における夫婦の役割分担について「それぞれしっかりしている時も、していない時もある。家事とか家の中のことは私のほうがちゃんとしているのでだんなさんが怠けられるし、お金周りに関してはだんなさんがしっかりしているので私は怠けられる。光熱費がどうとか、私は全然わからないし、管理できる気がしない。超いいバランスだと思います(笑)」とも語っている。家庭の家事分担や夫の家事のクオリティに強い不満があるとか、深刻な夫婦喧嘩ということではないようだ。おそらく仲は、インスタストーリーを通して、単に自身の家庭に関するグチを吐露したかったわけではなく、もっと重要な問題提起をしたかったのではないか。それは、家事の女性依存という問題だ。
女性の場合、外でハードに働いていようが、一旦家庭に戻れば「家事」や「育児」という労働が待っていることが圧倒的に多い。最近では共働き世帯も増えた影響で家事を積極的に“手伝う”男性も増え、育児をする男性が「イクメン」などと持て囃される傾向もある。
しかし、それはあくまで「時間のあるとき、気が向いたときのお手伝い」であって、家事に対して当事者意識をもっている男性はまだまだ少ない。