『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』(宝島社)
女性専用車両乗り込み運動や伊藤詩織さんへのバッシングなど、相も変わらず差別に満ちた女性攻撃が頻発しているが、そんななか驚くような告白が話題となっている。
AV女優・作家の紗倉まなが「週刊プレイボーイ」(集英社)2018年2月12日号に掲載された落合陽一との対談のなかで、こんな驚きの証言をしたのだ。
「一番イラッとすることは、何を言っても『肉便器』って言われることですね」
「以前言われたのは、『おまえいろいろ物事を多く語って、まるで文化人気取りだな』みたいな。『肉便器は黙って脱いでろ』って言われたことがあって」
紗倉はこれまでに、AV女優を主人公にした『最低。』(KADOKAWA)、家族関係を題材にした『凹凸』(KADOKAWA)と、2作の小説を出版。文学関係者からも非常に評価が高く、『最低。』のほうは昨年11月に映画化もされている。また、エッセイ連載などで、家族問題や社会問題について語ることも少なくない。
先にあげた「肉便器」なる暴言は、彼女のそういった活動を指してのものだと思われるが、あまりにひどすぎる最低な女性蔑視発言だ。
しかし、紗倉はこんな暴力的な差別にも、屈することなく、毅然と対峙している。
前掲対談のなかで紗倉は「AVをやってる人間が自我を出したりすると、興奮されにくくなるとか、こういう映画が出ると『どんな気持ちでAV見たらいいんだ』っていう声もありまして、確かにその心理もすごくよくわかります」と客観的な状況把握をしつつも、だからといって「肉便器は黙って脱いでろ」などという意見には一切与するつもりはないと語る。
「それでもAVの表現と書き物の表現はやっぱり譲れないところが強い軸として心の中にあって。編集者の方とも、『ギャルっぽい口調に直すのやめてください』とか、バトルになるくらい話し合っています。自分が妥協したくないことと、世間が求める商品価値ってものすごく差があるなと感じながら」