國母は「Number」(文藝春秋)17年2月9日号にて、バンクーバーオリンピックでの騒動について、「いや、だろうな、っていう感じですね。えーって思うほど、バカじゃない。学校でも制服を着崩してたら注意されるじゃないですか」としつつ、それでも敢えて自分を貫き通したファッションにしたことについて、「葬式に行くときに葬式の恰好をするように、スノーボードの大会に行くからスノーボードに行くための恰好をしてただけで。もう、あのときから、滑ることに集中してて、スーツをびしっと着ることで、そのイメージが揺らいだりするのが嫌だった。あそこから、俺のすべてのルーティンは始まってるというか」と語っている。
その態度をスノーボードの業界は支持した。バンクーバーオリンピックでの騒動後も契約ブランドは國母を味方し、バックアップも継続している。前掲「Number」では、バンクーバーオリンピック代表のスノーボーダーの村上大輔が「スノーボードがオリンピック競技になった時点で、いろんな人が“スポーツ”として見始めた。だから余計に理解されにくいと思うんですけど、ボーダーはライフスタイルが大事。80%ぐらいは、オリンピックとは別の部分が占める。ビデオだったり、バックカントリーだったり、プロの大会だったり。ブランドもそっちを大事にする。ブランドが欲しいのはアスリートじゃなくて、カッコいいボーダーなんです」と語っており、それはスノーボーダーとしてはなんら間違った行為ではないとしている。
実際、國母のファッションを批判していたのは日本のメディアだけだった。ようするに、彼らはスポーツ文化というものをまったく理解しておらず、ただ、自分たちの時代錯誤的な価値観を押し付けたいだけなのだ。
明日から開幕する平昌オリンピックはすでにオリンピックそのものが政治的、差別的な理由で攻撃対象になっているが、その主体となっている保守派メディアやネトウヨと、過去のオリンピックで選手バッシングを展開してきた“道徳保安官”たちとは重なっている部分がかなりある。
平昌オリンピックでは、選手に対しても、これまで以上に理不尽なバッシングが起きる可能性が高い。
(編集部)
最終更新:2018.02.08 11:25