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日馬富士暴行事件でマスコミが展開する貴乃花バッシングは矛盾だらけ! 背後に相撲協会のリーク

日本相撲協会公式サイトより


 連日メディアを騒がせている、横綱・日馬富士による貴ノ岩への暴行事件だが、途中から風向きが大きく変わってしまった。そう。報道のトーンが暴行した側の日馬富士でなく、被害者の貴ノ岩とその師匠である貴乃花親方への非難にすりかわってしまったのだ。

 先月26日巡業で訪れた鳥取での飲み会で、日馬富士が貴ノ岩をビール瓶で殴打するなどし、負傷させたというこの事件は、今月14日スポニチのスクープで発覚したが、それに先立って、12日から始まった九州場所を貴ノ岩は初日から休場。13日に「脳振とう、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑いで全治2週間」という診断書が公表され、ふつうのケガとは思えない症状の数々にいったい何があったのかと相撲ファンは騒然となっていた。

 相撲界では2007年の時津風部屋で力士が親方の暴行により死亡するという事件に代表されるように暴力事件がたびたび起き、再発防止に取り組んできたはずだった。そんななか、ふたたび起きた暴力事件。しかも、暴行をはたらいたのが横綱ということで大騒動になった。

 ところが、15日になるとスポーツ紙やワイドショーでは、「貴ノ岩が日馬富士に「あなたたちの時代は終わった」など失礼な発言をした」「日馬富士の説教中に貴ノ岩のスマホが鳴り、スマホを操作しようとした」「貴ノ岩は普段から先輩に対する態度が失礼で、日馬富士はたまりかねて……」「貴ノ岩は、平成生まれのゆとり世代だから、先輩への態度がゆるい」と貴ノ岩のマナーの悪さが俎上にのぼるようになる。

 さらに、マスコミが次々と報道し始めたのが、貴乃花親方の行動への疑問だ。

「貴乃花親方はなぜ相撲協会に報告せず、警察に被害届を出したのか」
「貴乃花親方は相撲協会からのヒアリングに対して「わからない」と答えたのはなぜか」
「日馬富士と貴ノ岩は事件翌日握手をして和解したはずなのに、なぜ被害届けを出したのか」
「貴乃花親方は巡業部長なのだから、暴行事件は自身の責任問題でもあるのに」
「理事長選がらみの、政治的な思惑があっての行動じゃないか」

 暴行事件だったはずが、いつの間にか“貴乃花親方が不可解”問題にすり替わってしまったのだ。ワイドショーでもニュースでも、情報が錯綜していると言いながら、日馬富士の暴行よりも貴ノ岩のマナー違反や貴乃花親方の行動のほうを問題視。相撲記者や元力士、相撲協会に近い関係者などのいわゆる専門家や事情通コメンテーターは一様に、暴行した日馬富士でなく貴ノ岩や貴乃花親方の行動のほうを非難。貴乃花親方を擁護しているのは、せいぜい貴乃花とは絶縁状態にある母親の藤田憲子と、貴ノ岩の兄くらいのものだ。

 しかし、貴乃花の行為は本当に非難されるべきものなのだろうか。

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