昨年、『あさイチ』(NHK)で、自身が発達障害のひとつである注意欠陥障害だと告白したモデルの栗原類は、公表後、ブログでこんな想いを綴っていた。
〈皆と合わせるのが当然かもしれないと言うのは学校や集団の中に属していたらそれは避けられない事かもしれません。だけど、その中に理解してくれる人、調整役となってくれる人、そんな人がいたらそれだけで過ごしやすい環境が少しずつ出来ていくのではないのか〉
現在の社会は「みんなと合わせられない」ことをとかく責め立て、栗原氏の思いとは逆に理解のための思考をシャットアウトし、今回の事件で明らかになったように犯罪と結びつけて障害を語り、「異端」として社会から排除しようとする。そうした無根拠な言説こそが社会悪なのだということが、もっと議論の俎上に載せられるべきなのではないだろうか。
(田岡尼)
最終更新:2017.11.24 06:46