「現場マネージャーが挨拶しても目を合わせなかったり、舌打ちをしたり、大声でマネージャーを非難することもあった」「数分間も電話口で怒鳴られた」
能年でなくとも、芸能人やアイドルなら、この程度のことは十分あるだろう。和田アキ子なら「数分間」どころか3時間説教し続けてもおかしくない。
しかも、能年は「Xさんに大声を出したあとは電話やメールで“さっきはすいませんでした”と謝るのが常だったそうです」とも書かれており、むしろいい子のような気さえするのだが、「ポスト」が、これを「自分をコントロールできなくなっていた」と批判するのだ。
とにかくどこをどう読んでも海千山千の芸能プロダクションの責任者が精神的に参ってしまうような横暴さとは思えないのだが、実はX女史が体調を崩し、会社に行けなくなったのには別の理由があるらしい。レプロの内情に詳しい関係者が語る。
「Xさんが体調を崩したのは、能年から『事務所を辞めたい』と通知があったことに、H社長が激怒。責任者としてH社長から責められて、板挟みになったということだと聞いていました。ただ、今でもレプロには在籍していますから、事務所側について能年のせいと証言するしかなかったんでしょう」
他の能年批判もかなり無理がある。たとえば、能年が『ホットロード』のクランクイン前に、「不良役やヤンキー役は天野アキとかけ離れすぎている。ファンが逃げる」と出演を渋り始めたと糾弾しているが、これはむしろ、能年の戦略のほうが正しいといえるだろう。実際、映画やドラマ関係者の間でも「『あまちゃん』後の最初の映画で『ホットロード』というのは事務所の選択ミス。しばらくは『あまちゃん』のイメージで押すべきだった」という意見が圧倒的だったのだ。
能年が熱望していた『進撃の巨人』の出演を事務所が勝手に断った問題でも、「ポスト」は奇妙な論理で事務所を擁護し、能年を批判している。能年がこのとき、事務所の頭越しに同映画の監督と接触するという「芸能界のタブー」に触れたために話は白紙になったというのだが、女優が直接、監督に出演を売り込むのは珍しい話ではないし、タブーでも何でもない。
また、出演話がなくなったことを知った能年が“私以外の誰かがやると考えると、気が狂いそう”と事務所に訴え、“出演させてもらうために土下座しに行きたい”というメールをX女史に送ったことを「ポスト」は「常軌を逸した」行動と書いているが、これは女優として当然の感情で、むしろその情熱を評価すべきだと思うのだが……。