ただ、先日の記事でもお伝えしたように、「俺は嵐でいることよりも、慶應生でいることのほうが誇りだ」という櫻井にとっては、恋愛もアクセサリーの一部なのかもしれない。たとえば、櫻井が好んでいたのは、芸能人ではなくミュージシャンやファッション関係者といったオシャレな人びとが集うクラブで遊ぶこと。それも「ジャニーズのアイドルでいながらも、こういう場でこういう人たちと遊んでる自分」を味わうためだ。そして、そうした場所で知り合った女の子を嵐のライブに招いても、「恋愛が目的というわけではない」。「アイドルファンっぽくない女の子たち」とつながっているという自意識に過ぎないわけだ。この櫻井のセルフブランディングを見ていると、嵐メンバーのなかでもっともめんどくさい恋愛相手は櫻井なのかもしれない。
……と、このように嵐の恋愛事情の一端が垣間見える本書。このほかにもメンバーの恋愛エピソードは数多く、本書ではその恋愛観を知ることができるが、ちなみにジャニーズ事務所のスタンスは「ジャニーズのアイドルに『恋愛禁止』というルールはない」。ファンや仕事に迷惑がかからなければ「いちおうOK、というか黙認」というスタンスであるらしい。とはいえ、ジャニーズタレントの恋愛スキャンダルを取り上げるのは、ごく一部のメディアだけ。事務所が恋愛自体を“ないこと”として扱うことを考えると、本書の暴露は貴重な資料ともいえるだろう。
(本田コッペ)
最終更新:2017.12.23 07:06