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危険ドラッグ製造工場に潜入! 場所はフツーの民家で原価は百数十円!

 製造はダイニングキッチンで行われる。例のアルバイトのおじさんがテキパキ動き始めた。

「まず食卓の上に青いレジャーシートを敷き、その上に押し入れからステンレス製のボールを数個と、洗剤などが入っているようなポリ容器を二つ並べた。

 食卓の下には段ボール箱があり、梱包を解くと中に入っていたのは大量の葉っぱで、青臭い香りが漂った。一センチ四方ほどに裁断された葉っぱだが、それがなんの葉っぱかさっぱりわからない」

 しかも製造業者もアルバイトのおじさんも何の葉っぱか知らなかったそうだ。そんな謎の葉っぱから、枝や茎、実などを取り除く作業を黙々と行っていく。これを数回に分けてミキサーで裁断。それが終わるといよいよ化学物質を開封する。これを先ほど綺麗にした葉っぱに混ぜ込むのだ。防塵マスクとゴーグルは必須で部屋も換気しながらの作業となる。

「透明のビニール袋にハサミが入れられると、白い粉が勢い良くボールに注ぎ込まれていった。袋の三分の一ほどを出し終えると、そこにポリ容器の中身が注ぎ込まれたが、マスク越しにもわかるほど刺激臭を発するその液体は、引火性の非常に強い溶剤らしかった。化学物質は水に溶ける事がないため、溶剤を使って化学物質の溶液を作るのだという。この溶液だが、化学物質と溶剤は目分量で配合されていた」

 こうして出来上がった溶液を「裁断されたハーブが入ったボールに吹き付けながら、鉄製のスプーンでよくかき混ぜ」ていく。本当に地味な作業の連続である。著者はこの溶液を「ゴーグルをしていても刺激臭で目が痛くなるほどだった。気化した溶剤のせいなのか、化学物質と混ざり合った溶液からなにか毒性の気体が発生しているのか、シンナーや除光液のそれを遥かに凌ぐ、もの凄い臭気である」と評している。とにかく体に悪そうな感じしかしてこない。

 吹き付け作業が終わっての乾燥時間を含まなければ製造時間は正味1時間。「3グラム入りの脱法ハーブに換算すれば、このとき見学した量はだいたい50袋分の脱法ハーブに相当するという。1袋4000円だとすれば、単純計算で20万円分の脱法ハーブが完成した」うえ、原価計算をしてみたところ「脱法ハーブ1袋あたりの原価はおよそ百数十円である事が分かった。いちばん高いのは袋で、次いで袋に貼るラベル、配送料と続く。一番安いのは、脱法ハーブそのものの原価である」というから製造するほうにとってはぼろ儲けだ。

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